筆者が夫婦カウンセリングを行っているなかで、夫婦関係がうまくいく秘訣のひとつは“男女の考え方の違いを知ること”ではないかと常々感じています。男女の考え方の違い、それは「男女の脳の違い」にあると言われます。あなたも、どこかで聞いたことはありませんか? なんとなくわかっているつもりでも、実際にどう違うのか、詳しく知らない方も多いのではないでしょうか? 円満夫婦関係のお手伝いのために、筆者も改めて調べてみました。

まずは、「脳梁」の違いについて。

 

■ 男女の脳の違い、脳梁(のうりょう)が違う!

脳梁とは、左右の大脳皮質をつなぐ神経線維の束のこと。情報が流れる通信回路のような役割を果たしています。

女性の脳梁は男性より太く、そのため、複数のことを同時進行で処理することができます。一方、男性は、一つのことしか集中できませんが、脳神経の前後への結合が強いため、論理的で、地図などの空間認知能力や情報処理能力に優れています。

「第六感」は、情報収集力に優れているために備わった女性特有の能力。子どもの顔色の変化はすぐに気づき、男性がつく嘘も素早く見抜きます。

また、脳科学者・医学博士の中野信子さんは、記事のなかで以下の性差も挙げています(※1)。

 

■ セロトニンの量が違う!

セロトニンとは、幸せホルモンともいわれる脳の神経伝達物質のひとつで、気持ちの安定に作用します。男性は、女性の約1.5倍も高いと報告されています。セロトニンが少ない女性は不安を抱きやすく、男性は将来を楽観視する傾向に。大きな夢や野望を語る男性に対し、女性の方が「現実的」と言われるゆえんです。

 

■ 上側頭講(じょうそくとうこう)が違う!

上側頭講とは、側頭葉にある脳構のひとつで、表情の視覚分析に関わるとされています。女性の方が早く発達し、皮質面積も大きいのが特徴。女性の方が、幼少の頃から口達者で感情を表現するのが上手なのはこのため。男性は、感情表現や他人の感情を読み取るのが苦手な傾向にあります。

中野さんによると、「男性は、最少の言葉で物事を解決しようとし、性ホルモンのテストステロンの影響で、男性はストレスから開放されるためには一人の時間が欲しくなり、黙っている方がリラックスできる」とのこと。一方、女性は「言語化することで癒やされる。話さないことがストレスになる」そうです。

身体のつくりが違うように、脳のつくりも異なる男女の脳。夫婦間のちょっとした誤解や思い違いなどが生じるのは、脳の仕業だったというわけです。

いちばん身近な配偶者にこそ、誰よりも自分のことを理解してほしい、と望んでしまう気持ちはよくわかりますが、ここまで男女の脳が違っては、お互いを完全に理解しあうのは不可能なのかもしれません。

男女では性差が認められている脳を持っているので、男と女はお互いに違うと理解する努力が必要。中野さんも、「言えばなんとかなると思うから文句を言うのですが、その努力はムダ」と言い切っています。

夫婦カウンセリングを行う筆者も、相談者さんには、エネルギーの無駄使いは極力減らすよう提唱しています。男女それぞれの長所と利点があります。男女の違いを認め、時には補い合って、いつまでも夫婦仲良く過ごしていきたいものですね。

[執筆:渡辺 里佳(夫婦関係・離婚カウンセラー), 2017年6月16日]

 

【参考】
※1.『日経おとなのOFF』「脳科学者・中野信子さんが斬る 男脳と女脳はこんなに違う! 」2016年10月号,pp.36-37、日経BP社

 

※  執筆者:渡辺里佳について。女性専用のカウンセリングサービス『ボイスマルシェ』の登録カウンセラー。電話カウンセリングなので全国どこからでも利用できる、匿名で話せる、当日予約できるというボイスマルシェの特長を活かし、全国の女性たちの夫婦問題・離婚の相談にのっている。
「離婚に迷う方のための、初めての夫婦カウンセリング」-渡辺里佳(夫婦関係・離婚カウンセラー)
「夫婦関係をやり直したい方のための、関係再構築(修復)カウンセリング」-渡辺里佳(夫婦関係・離婚カウンセラー)

※写真:PIXTA、本文とは関係ありません