2017年7月、横浜市で夫を自宅に放置し死体遺棄の疑いで母娘が逮捕された事件が報道されました。報道によると、普段から妻は夫に暴力をふるっていたそうです。家庭内暴力は妻が被害者というイメージがありますが、このように男性が被害者であるケースも存在しているのです(※1)。

家庭内で母親が父親を罵倒する、暴力をふるう環境の中で育った子供は、当然ながら様々な影響を受けます。たとえば、横浜の事件の場合では、母親を絶対的な存在と信じて服従する、あるいは父親をかばわなければいけないのに見て見ぬふりをして自分を責める、無力だと思い込む。いずれにせよ、子供は深刻なダメージを受けます。

 

■ 母親への恐怖と、父への罪悪感と軽蔑と

母娘関係改善カウンセラーの筆者のところにも、前述したような家庭環境に育ち、いまだに影響を引きずっている方からのご相談が寄せられることがあります。

都内で一人暮らしをしているB子さん(フリーランス・28歳)の例です。B子さんは、関西地方に暮らす両親とはほとんど連絡を取っていません。それは幼い頃からあった母親の暴力が原因とのことでした。暴力といっても、B子さんに対するものではなく、B子さんの父親に対するもの。「甲斐性がない、馬鹿者!」と父親に殴りかかる母親。それに対して、酒に酔ったふりして逃れようとする父親。B子さんは最初は父親に同情していたのですが、いつしか軽蔑の気持ちで見るようになりました。

 

■ 家庭環境による人間不信で苦しむ

今のB子さんの悩みは、異常な家庭環境の中で植え付けられた人間不信です。極端に友達が少ない、職場でも孤立してしまう。この状況に苦しんでいるのです。B子さんのようなケースでは、人を信じられないという思い込みがあり、それを少しずつ取り外していく必要があります。方法としては、集団で行うパフォーマンス、たとえば演劇やゴスペルコーラスなど大勢の人の中に飛び込むような体験がいいかもしれません。1対1の人間関係は辛くても、グループの中でワイワイやってみる。そんな雰囲気が、人に心を開くことにつながるかもしれませんね。もちろん、筆者のようなカウンセラーも力になります。

[執筆:横山 真香(母娘関係改善カウンセラー), 2017年8月31日]

 

【参考】

※1. 内閣府男女共同参画局『配偶者からの暴力に関するデータ』平成28年9月16日更新

※執筆者:横山 真香(母娘関係改善カウンセラー)について。女性専用のカウンセリング『ボイスマルシェ』の登録カウンセラー。電話カウンセリングなので全国どこからでも利用できる、匿名で話せる、当日予約できるというボイスマルシェの特長を活かし、全国の女性たちから寄せられる母娘関係の相談にのっている。
※「母娘関係を改善!母へのモヤモヤ、原因と改善セッション」-横山真香(母娘関係改善カウンセラー)

※写真:Halfpoint / PIXTA、本文とは関係ありません