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赤ちゃんをかわいいと思えないのは、自分だけですか?
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赤ちゃんをかわいいと思えないのは、自分だけですか?

街中で小さな赤ちゃんを見かけると、その愛らしさに自然と笑みがこぼれることと思いますよね。赤ちゃんはとても愛らしいのですが、赤ちゃんのお世話はとても大変です。3時間おきの授乳にママはいつも寝不足状態、いつ泣き止むのかわからない赤ちゃんを抱っこし続ける日々。赤ちゃんのペースに合わせた生活で自分のペースで家事も育児も進まない。愛情だけで育児はできないのです。

 

■ 赤ちゃんをかわいいと思えないのは珍しいことではない

産婦人科を舞台に妊娠出産の現場を描いた漫画『コウノドリ』。その登場人物の1人、ベテラン助産師の小松さんのとても印象的な言葉があります。

たまに1ヶ月検診で自分の子供をカワイイって思えないっていう母親がいる・・・そんな母親自身が自分は普通じゃないんじゃないかって悩んでいたりするんだ。でもそれはちっともおかしなコトじゃない。体力の回復もしてない産後の母親が育児や家事に追われて心身ともに疲労してしまったら・・・自分の子供だってカワイイなんて思えるわけがない。(※1)

 

■ かわいいと思えなくて当然

産後ママのサポートコーチの観点からも、小松さんの言葉は一人でも多くの産後ママに知ってもらいたいです。母親だから赤ちゃんを愛して当然、育児ができて当然ではないのです。

自分の心と体が疲労困憊していたら、他人のことまで構っていられない。生まれたばかりの首も座らない赤ちゃんのお世話はとても大変です。そんな大変な育児を、ママ一人でこなせるわけがないのです。それなのに、できていないと自分を責め、悩みを抱えたママたちからのご相談が筆者のもとにも多く寄せられます。

ママ達は、愛情が薄いママと思われたくない、母親失格の烙印を押されたくないゆえに、自分の気持ちを周囲の人には言えない印象を受けます。

 

■まずは自分を満たすことを考えて

突然ですが、「シャンパンタワーの法則(※2)」をご存知ですか? 1番上のグラスはあなた、2番目は家族、3番目は友人、4段目同僚。シャンパンを上段から注ぐと溢れて2番目のグラスに注がれます。2番目のグラスが溢れて3番目のグラスに、その繰り返しでシャンパンは下のグラスまで順番に注がれます。しかしながら、2番目のグラスから注げば、1番上のグラスはいつまでも空のままです。

赤ちゃんをかわいいと思えないのは、あなたのグラスが満たされていないサインなのかもしれません。まずは自分をたっぷりと満たしてください。家族に赤ちゃんを託してゆっくり寝てください。赤ちゃんと離れて自分の時間を楽しんできてください。1番上のグラスがあなたなら、2番目は赤ちゃんです。あなたのグラスにエネルギーが満ち溢れたら、それは赤ちゃんに自然に注がれていくのです。まずはたっぷりと自分を満たしてください。

[執筆:久保木 惠子(産後ママのサポートコーチ)]

 

【参考】
※1. 鈴ノ木ユウ(2017)『コウノドリ(20巻)』「妊婦の自殺」講談社
※2. マツダミヒロ「シャンパンタワーの法則とは」

※執筆者:久保木恵子(産後ママのためのサポートコーチ)について。女性専用のカウンセリング『ボイスマルシェ』の登録カウンセラー。電話カウンセリングなので全国どこからでも利用できる、匿名で話せる、当日予約できるというボイスマルシェの特長を活かし、全国の女性たちの相談にのっている。一児の母。

※写真:Alliance / PIXTA、本文とは関係ありません

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