「不倫」「浮気」というワードが氾濫している昨今。日本では昔からこんなに「不倫問題」が注目され、騒がれていたのでしょうか。そもそも今の結婚制度はいつからスタートしたのでしょう。江戸時代からの結婚制度・夫婦関係について紐解いてみました。

 

■ 江戸~明治時代は「一夫多妻制」!?

結婚式で、生涯を共にすることを誓い合い結婚した夫婦。配偶者以外の人との不貞関係は許されず、「違法」となります。一夫一婦制だからこそ起こる問題といえるようです。

今では当たり前の「一夫一婦」の結婚制度ですが、ほんの100年前までは、一夫多妻だったのをご存知でしょうか? 跡取りを産むことを何より重視していたという背景もあり、
「妻妾制度」が存在していましたが、明治時代に入ってからも続きました。妾も妻と同等の権利が与えられていました。ちなみに、農民など一般庶民は、開放的な性文化(夜這い、若衆宿、娘宿)が根付いていたそうです。

このような風習が、ヨーロッパ諸国から非難され、近代化を目指す明治政府は、大衆の婚姻制度(夜這い~総偶婚)はやめようという動きが出ました。初代文部大臣の森有礼や福沢諭吉が「男女同権」や「一夫一婦制」を説き、戸籍法では、明治19年に妾が姿を消し、1898年(明治31年)、明治民法が交付されたことによって「一夫一婦制」が確立しました。

 

■「不倫」と「不貞」ってどう違うの?

配偶者以外との肉体関係は「貞操観念がない」とされ、違法となったため、いまのように「不倫だ」「浮気だ」と大騒ぎするようになったといえるかもしれません。

不倫、不貞、浮気、と呼び名がいろいろあるので、言葉についても調べてみました。最近では「サレ妻」という言葉もネットなどで使われています。「夫に浮気された妻」という意味だそうですが、あまり品のいい言葉ではないですね。

不倫も浮気も不貞行為も同じ意味ですが、法律用語では、「不倫」ではなく、「不貞行為」という言葉を使います。不貞行為とは、「配偶者のある者が配偶者以外の異性と、自由意志で肉体関係を持つこと」。

不貞行為と浮気の大きな違いは「婚姻関係の有無」です。「不倫」の中に「不貞」が存在し、それ以外を「浮気」と呼んでいいようです。

 

■不倫は苦しみを生むだけ。自分らしい人生を

歴史を紐解いてみると、結婚観も制度も変化し続けていて、今の仕組みは長く続いてきたものではないことがわかります。フランスでは、正式な結婚でもなく単なる同棲とも異なる、法的に守られた「パックス婚」もあるように、不倫騒ぎが加熱している日本も、結婚制度が見直される時が来るかもしれませんね。

 

夫婦問題に限らず、生きている限り、葛藤や悩みは続きます。ひとつつ言えるのは、「不倫」も「不貞」もお互いに苦しみを生むだけです。一度だけの人生、自分を大切にしながら、自分らしい幸せな人生を送ってくださいね。

[執筆:渡辺 里佳(夫婦関係・離婚カウンセラー) ]

 

【参考】
※ 加藤秀一(2004)『恋愛結婚は何をもたらしたか』ちくま新書
※  執筆者:渡辺里佳(夫婦関係・離婚カウンセラー)について。女性専用のカウンセリングサービス『ボイスマルシェ』の登録カウンセラー。電話カウンセリングなので全国どこからでも利用できる、匿名で話せる、当日予約できるというボイスマルシェの特長を活かし、全国の女性たちの夫婦問題・離婚の相談にのっている。
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