雨の季節となり、なかなか屋外に出らない…。そんな日は、おうちでじっくり赤ちゃんの脳を活性化するチャンス!

「うちは運動ができれば、頭は良くなくてもいい」。そう思った保護者さんへ、運動と脳の発達も密接な関係があることをお伝えしたいです。野球ひとつとっても、投げられたボールの位置を計算して、バットの振り方を調整する力、野手が受け取ったボールをどこへ投げれば一番効果的かを瞬時に判断する力、研ぎ澄まされた直観力、どれもこれも脳の指令からくるものです。

 

■ 頭の良し悪しは遺伝じゃない

一昔前は、赤ちゃんの頭の良し悪しは遺伝で決まるのではないか、といわれていました。しかし最近の脳科学では、頭の良さは生まれた後に決まるという説が有力です(※)。脳自体は柔らかいプラスティックのようなもので、年を重ねても新しいことを学習したり、新しいアイデアを生むことがわかってきています。

とはいえ、新しいことを吸収したり排出したりする土台、いってみれば脳のハードウェアをつくるのは3歳ごろまで。車に例えると、どんな高級車も単線道路ではその走行能力を発揮できませんが、高速道路や綿密な道路網のような良いインフラがあれば、高速で、かつ目的地へ最短で辿り着くことができます。このインフラを築くことが頭が良くなることへのベースになり、この幼少期の脳の活性化が、その後15歳ぐらいまで影響するといいます。スタートラインが重要なのですね。

 

■ そもそも脳って何時どんな風に成長しているの?

生まれたばかりの赤ちゃんの脳はわずか400g。大人の30%程度です。それが、めきめきと成長し、1歳で倍の800g、3歳で1000gと大人の80%にまで成長します。その後、脳の成長は緩やかになり、12歳ごろまでにほぼ100%完成します。体の成長が20歳ぐらいまでかけて徐々に大きくなるのに比べて、圧倒的な速さですね。

ここで脳の成長といっているのは、ただ脳の容量が増えるということではありません。生まれたばかりの赤ちゃんの脳は、大脳、小脳、脳幹といった脳の中枢神経が整っていないいわば未完成品です。それが最初の3年間で、脳内シナプスによるネットワーク(神経細胞が互いに手をつないで、様々な機能を獲得していくこと)が急速に拡大して、終生のパターンが作られるというから驚きです。

車を見て「あ、あ~」しか言わなかった子供が突然「ブーブ」と言う。その瞬間、見ているものを認識する脳細胞と、言葉を理解する脳細胞の回路が繋がったということなのです。

もちろん遺伝子が全く関係ないわけではありませんが、遺伝子は子供の脳の方向性は決めてはいるものの、その後の成長は外からの刺激と摂取した栄養によって完成されるということなのです。

このように、頭の良し悪しが決まる3歳頃までに、いかにバラエティに富んだ良質の経験を積み上げて、より多くのシナプスを発達させ、脳の回路のネットワークを育てるかが課題です。この脳の回路をつなぐ初期の段階では、実は「やったほうがよいコト」もよりも「やっちゃいけないコト」の方が多いんです。後編では、このあたりを掘り下げていきます。

[執筆:マキコ・アサエダ(産後ライフプランナー) ]

 

【参考】

ポー・ブロンソン, アシュリー・メリーマン (2011) 『間違いだらけの子育て―子育ての常識を変える10の最新ルール』インターシフト

 

[執筆:マキコ・アサエダ(産後ライフプランナー) ]