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イクメン社員がぶつかる壁、「パタハラ」とは?
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イクメン社員がぶつかる壁、「パタハラ」とは?

最新のイクメンに関する調査(※1)では、未就学児がいる20代~40代のビジネスパーソン男性の53%が自分は「イクメンだと思う」と回答。ワーキングマザーが増える一方で、イクメンが増えるのは大歓迎ですが、そんな男性たちが実は職場でいやがらせを受けているとしたら…?

 

■ 育休を取りたい男性部下へパタニティハラスメント!?

日経新聞の記事(※2)におけるイクメンプロジェクト委員の渥美由喜氏によれば、男性社員が育休を取ったり、育児のための短時間勤務やフレックス勤務をすることを妨げる行為は「パタニティ・ハラスメント」と呼ぶべきものと指摘。同記事では、実際に育休を取ろうとして上司に「なぜ、男のおまえが育休なんて取るんだ。キャリアに傷がつくぞ」と言われた例も。筆者もこの事例には驚きましたが、だったら女性のキャリアなら「傷」にはならないのでしょうか?

 

■男性の育休取得率は伸び悩み中

今年6月に日本生命が、子どもが生まれた男性職員全員に1週間程度の育休を取得させると明らかにし、話題になりました。男性の育休取得率は2012年実績で1.89%と、女性の83.6%に比べ格段に低いのが現状。この数値はここ6年間ほとんど変化がなく、世間で言われるほどイクメンは増えていないのかもしれません。

しかも育休期間はとても短く、女性が10か月程度が主流なのに対し、男性は2週間未満が6割を占めます。筆者の育休ママ向けセミナーでも、パパ育児参加はよく話題になりますが、ちょっと家事や育児を手伝っただけですっかりイクメン顔のパパたちに、ご立腹のママは多いのです。

 

■ パタハラで出世に響いたら困る!

筆者の出会うワーキングマザーは、意外にも、平日の家事・育児はほぼママが担当というご家庭が多いようです。そんなママたち曰く「手伝ってくれるのはありがたいけど、一家の大黒柱としてちゃんと稼いでキャリアを積んでもらわないと困る」「自分のキャリアは時短することで、ある意味(出世が)中断しているのに、さらに主人まで滞ったら困る」という危惧も。そう、パタハラを恐れて無理に育児参加をさせないようにしている背景にはワーママの切実な願いもあるのです!

 

■ 育児で学ぶことにも目を向けて

病児保育で有名なNPO法人フローレンス代表の駒崎氏は”育休は男性にとって「家庭内留学」である”と表現しています。NPOの代表でありながら2児のお子さんのため2回の育休をとった駒崎氏。育休をとり子育てをすることで、次のことが得られると述べています。

  • 育児という不確実性の宝庫の中で判断力がつく
  • 仕事を一時的に他人へ引き継ぐことで、業務の見える化ができる

これらは仕事に活きますし、家族の一員として妻や子どもからの信頼が増し、苦労を共有できる良い経験でもある男性の育休。男性の皆さん、「キャリアの傷」などとネガティブに捉えずに未来に活かせる「貴重な経験」と捉えて人間力アップしてみてはいかがでしょうか。

[執筆:藤崎 葉子 (キャリア アドバイザー)]

 

【参考】

※1. リサーチバンク (2013年07月31)「イクメンに関する調査」
※2. 『日本経済新聞』2013年8月5日「男性の育休取得が激減…背景にパタハラ」
※3. 『病児保育のNPO法人フローレンス代表 駒崎弘樹のblog』 2013年03月06日 「育休は男性にとっては「家庭内留学」」

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