『セックス・アンド・ザ・シティ』の主人公キャリー役を務めたサラ・ジェシカ・パーカーが、ワーキングマザーを演じた映画『ケイト・レディが完璧(パーフェクト)な理由(ワケ)』。妻として母として、そしてキャリアウーマンとして奮闘するヒロインからアメリカのワーキングマザー事情が見えてきます。

 

■ アメリカでも働く女性に壁がある!

一見、男女平等でワーキングマザーであることに壁は無さそうに思われるアメリカですが、この映画の中で、実情は日本と変わらず大変であることがはっきりと描かれています。例えば、「出張で飛びまわれないのは飛べない鳥と一緒」と揶揄されたり、「男性が子どもの病気で帰れば愛溢れる父親だと賞賛されるのに、女性が同じことをすると自己管理能力に欠け、無責任で怠惰だ」などと批判されてしまうシーンがあり、筆者も少し意外なくらいでした。子どもがいることを社内に公表しないことは日本ではあまり無いかもしれませんが!

 

■ ワーキングマザーの頭はいつもリストだらけ

主人公のケイトが早朝にToDoリストを頭の中で作るシーンがあり、そのリストには仕事のこと以外にも、子どもの行事に準備や買い物のことも羅列されていきます。4歳の子供がいる筆者もよくToDoリストを作りますがそこには、「○○さんにメール」「○○提案書」など仕事の用事の他に、「娘の習い事先へ連絡」「新しい上履きを買う」などが並びます。クリスマスや誕生日などの行事前には、ToDoが増えるのは必至。私の知人のワーキングマザーさんは、会社を出る前に翌日のToDoを書き出して帰ると話していました。電車に乗ったとたんに頭の中は今日の夕食メニューを考え始め、仕事を忘れてしまうから…。

 

■ ワーキングマザーの憧れは世界共通?

パーフェクトのように思われる主人公のケイトですが、仕事で認められてチャンスをつかむ一方で、夫や子供の心はケイトと距離ができ、家庭はメチャメチャになっていきます。そんな中、仕事で成果を収めたケイトは自分にとって大事なものに気づき、解雇覚悟で家族のために残業や出張を断り始めます。会社側も実績のあるケイトに理解を示し、家族も働く妻・母親であるケイトを認めてハッピーエンド! そこは映画ならではかもしれませんが、家庭と仕事の両立は難しいけれど働く女性にとっては憧れの結末なのでしょう。

 

■ あまり語られない「母になる喜び」

最後に付け加えておきたい見どころは、「キャリアの足をひっぱる子供は絶対持ちたくない!」 と豪語していた若く優秀な女性の後輩が妊娠、出産するシーン。仕事の面から見ると明らかにお荷物に思える子供。女性の人生で命を産み育てる経験は貴重で何ものにも代えがたい喜びがあるのに筆者の周囲でもそれを語るワーキングマザーはあまりいません。後輩キャリアウーマンは出産直後ケイトに「どうしてもっと早く教えてくれなかったの? 母になる喜びを!」と言って怒ります。周囲に気を使いつつもう少し母親ライフの良い面も発信してもいいかもしれませんね。

 

この映画は、現在ワーキングマザーの皆さんのストレス解消に、将来のワーキングマザー候補の女性達の予習に役立つ一本としてオススメです!

[執筆:藤崎 葉子(キャリア アドバイザー)]

 

【参考】

『ケイト・レディが完璧(パーフェクト)な理由(ワケ)』2011年アメリカ