我々が子供の頃の玩具で遊んでいた風景と、今の子供が遊んでいる風景はずいぶん変わってきました。今の子供は1歳からスマホでゲームをし、小学生になると携帯を持ち始めます。

旧世代の我々からみると、こんなに早くからゲームや携帯を持たせることに躊躇し、特にゲームについては携帯のような有用性も見えず、しばしば家族やママパパコミュニティの中でも議論になります。

本当にゲームは子供にとって毒なのでしょうか?

 

■ 脳科学で証明されたゲームの効果

脳科学の分野では、実はすでにゲームは「マルチタスキング」の訓練に有用だという研究結果が出ています。

ゲームであれば何でもいいわけではなく、テトリスのようなひとつの作業に集中するものではなく、様々な方向からやってくる敵を撃つような「アクション型ビデオゲーム」に限るのですが。

ある研究によると、定期的にアクションゲームをしていた大学生は、していなかった大学生よりも、ごく短時間の視覚刺激のなかで50%も多くの項目を数えられたという結果が出ています。また、情報処理スピードも早く、同時により多くの物体を追うことができ、作業の切り替え能力も高かったのです。

もともと能力が高かった人が、ゲームもうまく、処理能力が高かったのではないかと思うかもしれませんが、そうでもないようです。ゲームしていないグループに10日間、毎日1時間アクションゲームをしてもらった結果、ゲームをする前よりも、同時に多くのことに注意を向ける能力が上がったという結果が出ました。つまり、ゲームで「マルチタスキング」能力が発達したと考えられるのです。

 

■ 米軍ではスカウトにゲームを利用している

有名な話ではありますが、アメリカでは、戦争ゲームで高得点をとったプレイヤーを米軍にスカウトしています。ゲームで高得点をとれる人が、実践でもパフォーマンスが高いことが既に証明されているというのです。

ちなみにこの戦争ゲームは無料で配布され、世界中でプレイされています。

また、兵士の訓練でもビデオゲームを採用しています。無人戦闘機を操縦している兵士の様子は、ビデオゲームをプレイしているのとなんら変わらず、唯一違うのは、それがバーチャルではなく現実に起こっていることだという点なのでしょう。

もちろん、米軍だけでなく、航空会社でもシュミレーションゲームがあり、訓練に活用されています。今後は、採用面でも活用されていく可能性も高いのではないでしょうか?

一時期流行した電車運転シュミレーションゲームで高得点を取得した人が、電鉄会社にスカウトされる日も近いかもしれません。

 

とはいえ、もちろん子供に与えるゲームは注意が必要です。

暴力的なシーンを見せることへの情緒的影響や、長時間プレイすることによる視力への影響、ゲームに没頭するあまりに周りの家族や友達とのコミュニケーション遮断など、やはり注意することは多いことに変わりはありません。しかし、たかだかゲーム。実は子供の能力を高める訓練にもなるということがわかれば、付き合い方が変わるかもしれませんね。

[執筆:マキコ・アサエダ(産後ライフプランナー)]

 

【参考】
サンドラ・アーモット, サム・ワン(2009)『最新脳科学で読み解く 脳のしくみ』東洋経済新報社