最近、採用現場が活発です。景気好転の兆しか、正社員、バイト問わず、多くの企業で人不足が深刻化しているといいます。「よほどでなければ、とりあえず内定を出す」なんて会社も。

しかし、各企業の採用担当者は異口同音で「最近は、正社員であってもバイトであっても、良い人が採れない。彼らは平気で、採用後数日で来なくなったり、退職届も一方的にメールで送りつけたりする」と言います。一体、彼らに何が起こっているのでしょうか?

 

■ 深刻な「思考力低下」

「良い人が採れない」背景のひとつに、思考体力の低下が考えられます。

ある会社のマネージャーによると「ここ1年で採用した人に対しては、とにかく心が折れないように気を遣う。仕事を任せようにも、いつ休んだり、来なくなったりしないか心配で、任せらない。簡単な仕事であっても遂行困難な人も多い」と言います。そして、その傾向は若い人ほど強まるそうです。

地アタマの良い人であれば、求められている仕事の目的と内容を理解し、最初の指示内容がうまくいかなくても、手法を工夫して、求めるアウトプットを出してきます。しかし思考体力の低い人は、うまくいかないことが出てくるとそこで止まってしまう。つまり思考錯誤ができないのです。

「自分で考えず、全てを依頼者に聞く」というのは良い方で、質問すらできず、登社拒否に至るケースだって多いのです。

 

■ 子供の意欲を阻害するもの

なぜ、このようなことが起きるのでしょう?

25,000人の指導にあたってきたプロの家庭教師・西村則康氏によると、タワーマンションや断捨離をしてきれいに片付いた環境で育つ子供は、思考体力の弱い子が多いといいます(※)。発育に必要な身体感覚が、何もない部屋だと育ちにくいのです。

特にタワーマンションでは、窓を開けて風や鳥の鳴き声を聞けず自然との断絶感があり、見下ろす景色を風景と捉え、そこを往来する車や人に興味を持たなくなるからだとか。子供たちの五感を刺激することが重要で、片付いているよりは多少散かった部屋、無駄なものがある部屋の方が、子供たちの意欲をかきたて、「この段ボールでロケットつくろ。そういえば、戸棚に銀紙があったな」なんて思考が生まれるのだそうです。

ここでいう思考体力の良し悪しは、決して試験成績の良し悪しではなく、むしろ試験成績はタワーマンション在住の子供の方が優れていることが多いといいます。収入に余裕があり、高い教育水準にあるのでしょう。

少し大げさかもしれませんが、思考力低下の蔓延は、日本の国力の低下にもつながる一大事。身体感覚体験あふれる子育て、一緒に始めませんか?

[執筆:マキコ・アサエダ(産後ライフプランナー) , 2014年2月11日]

 

【参考】
秋山知子 『日経ビジネスオンライン』2014年1月24日「高層マンション育ちの子供が「伸びない」理由」