厚生労働省が中心となって2006年に作られた「マタニティマーク」。多くの人が一度はロゴを目にしたことがあるのではないでしょうか。マタニティマークは妊婦が交通機関などを利用する際、周囲が配慮しやすいようにと制作され、全国の自治体や鉄道会社が配布しています。バッグに付けるキーホルダータイプはもちろん、車用のステッカーなど種類もさまざまあります。

あくまでも妊婦の安全を守るためのマタニティマークですが、最近インターネット上にさまざまな恐怖体験が寄せられ、話題になっているのをご存知でしょうか?

 

■ マタニティマークは危険なの!?

妊婦だとわかると、「故意にお腹を肘打ちされた」「優先席付近で舌打ちされてにらまれた」「知らない人から突然暴言を吐かれた」……。

マタニティマークの“副作用”ともいえるこのような体験談が、最近twitterを中心に次々と書き込まれています。マークの普及、推進活動ととともに身につける人が増えているのが事実ですが、「あえて身につけたくない」と考える人もおり、今回の件で改めて考えさせられた人も多いようです。

 

■ マタニティマークへのさまざまな見方

マタニティマークは登場以来、さまざまな見方から賛否両論ありました。「妊娠はそもそも病気ではないのだから、優先席に座るのはおかしい」という意見がある一方で、筆者も含め妊婦さんの中には「お腹が大きい中後期よりも、まだお腹が目立たないけれど“つわり”などで体調が不安定な初期のほうが辛い」と感じる人も多く、周囲の気遣いには正直、甘えたいことも…。

マタニティマークは一般に「席を譲ってほしいサイン」という認識が強いようですが、緊急事態が発生したとき適切な処置ができるように、などの意味もあります。

 

■ 謙虚な気持ちを大切に

とはいえ、妊婦だから席を譲ってもらって当然!という姿勢はNG。案外人に伝わるものですね。ちょっとした態度で周囲に「これ見よがしに!」と不快に思われることがないよう、何らかの配慮をいただいたら感謝の気持ちをきちんと伝えたいものです。

筆者は妊活中からできるだけ率先して妊婦さんに座席を譲ってきましたが、いざ自分が妊婦になると急な体調の変化もあり、席を譲っていただけると本当にありがたく感じました(幸い、危険な目に遭ったこともありません)。こんな時に思うのがギブアンドテイクの精神。いただいたご恩は、今後も妊婦さんに限らず困っている方に返していきたいと思っています。

 

マタニティマークを巡りさまざまな事例がありますが、社会での正しい認知と配慮の推進はもちろん、妊婦自身も大切な身体を責任をもって守りたいものです。

[執筆:渡辺さちこ(「妊きゃりプロジェクト」主宰), 2014年3月17日]

 

【参考】
※ マタニティマーク普及委員会
『Yahoo!ニュース』「マタニティマーク嫌がらせ 「社会の闇が深まっている」との指摘」(2014年3月8日)