日頃、20代女性のキャリアカウンセリングを行っていると「社内にめざしたい女性の先輩がいない。このまま今の会社に留まっていていいのか……」という相談を受けます。いわゆるロールモデルの不在という悩みです。

厚生労働省の資料によれば、ロールモデルとは「目指したい」と思える模範となる存在で、その能力や具体的な行動を「マネしたい!」と思える人物のこと。近年は大手企業を中心に女性活躍推進の施策の一つとして、社内で女性従業員向けのメンター制度を設けている企業も増えています。直属の上司ではない女性の先輩に、仕事やライフイベントのことを相談することで、女性の職域拡大や、女性管理職比率の上昇、継続就業などの課題解決につなげることを目的にしています。

 

■ ロールモデルがいない! と嘆く前に取り組みたい 5つのステップ

しかし、社内にメンター制度がない、あるいは女性の先輩自体が少ない、あるいは在籍していたしても真似したいと思えない……という方も多いでしょう。そんな方には以下の5つのステップを試してみてから、転職するかどうかを含め、キャリアデザインをすることをおすすめしています。

 

【STEP1】自分の能力で伸ばしたい点、この先働いていく上で補いたい点をすべて書き出す 

ロールモデルがいない! と嘆く前に自分がどうなりたいか、なりたい自分とのギャップを知ることが大切です。社内にロールモデルがいなかったら、自分がなる! くらいの気持ちでもいいと思います。

 

【STEP2】自分の観察できる範囲で印象的な人、自分よりも高いレベルの能力を発揮している人、学びたい行動ができている人を探す

男女性別を問わず、複数の人から真似したい能力、行動を探します。たとえば交渉能力の高い人、企画力に優れている人、気遣いができる人、ワークライフバランスを実践している人、などよく観察してみましょう。そして人の悪いところではなく、良いところに目を向けるようにしましょう。

 

【STEP3】社内にいない場合は、取引先、自己啓発の場に目を向けて探す

社内で簡単にみつからなければ、お取引先の人から探す、社外の勉強会に積極的に参加するなどしてみつけてみましょう。

 

【STEP4】見つけたら、その人の考え、行動の特徴、根拠を分析する
見つけたら「いいなぁ」と思っているだけでなく、ぜひアプローチして、その行動の「根拠」となっている考えを聞いてみましょう。

 

【STEP5】その人の特性を自らの日常業務にあてはめて実践する

「その時、あの人だったら、どうするだろう?」とその人になりきって、行動の「根拠」を考え、真似ることによって、行動パターンを身に付ける。

 

仮にロールモデルを見つけても、漫然と見ているだけでは、自分の成長にはつながりません。まずはマネして自分のものにしていき、自分の市場価値を高めてから転職を含めて将来のキャリアデザインをしてほしいと思います。

[執筆:小倉 環(キャリアカウンセラー) , 2014年6月6日]

 

【参考】
※ 厚生労働省「女性社員の活躍を推進するためのメンター制度導入・ロールモデル普及マニュアル」