「正社員として再雇用されました~」と、アラサー女性から弾んだ声でお知らせを頂きました。会社を一度辞めた理由は、妊活。パートを経て再び正社員になる彼女は、しばらく妊活を休むそうですが、安定した働き方を得てホッとしたとか。得意分野の業務を任されるそうで、本当に嬉しそう。

それにしても、結婚や妊娠、育児などのライフイベントは、想定どおりに進むとは限らないものですね。働く女性は、ライフイベントと仕事との関係をどのように考えているのでしょうか。

 

■ 働く女性の6割は「働き続ける」

NTTコムリサーチの調査(※1)によれば、働く20代女性の32.1%が、結婚・出産後も現在と同じ労働形態(正社員・派遣社員、パートなど)で働くつもりと回答。異なる労働形態で働くと答えた女性は25.9%でした。つまり約6割の女性に、働き続ける意志があるのです。

事情により、働く時間を短くする場合があるとしても、冒頭の女性のように「安定した雇用」を望む気持ちは強いと思われます。慣れ親しんだ仕事を、事情があっても諦めずに済む制度があれば……と思っていたところ、先進的な企業がありました!

 

■ 正社員とパート社員の区分けを廃止

『日本経済新聞』の記事(※2)によれば、家具小売りのグローバル企業I社は、平成26年秋より正社員の人事制度をパート社員全員に適用。ポストや業務が同じならば、正社員の賃金を時給換算した同じ額をパート社員に支払うのだとか。つまり、同一労働・同一賃金の制度にしたのです。また、1週間の勤務時間を3つから選べるようにし、正社員であっても週12時間勤務の選択が可能だとか。

もはや勤務または賃金形態で正規・非正規社員と区別できませんから、I社がスタッフの呼び方を「コワーカー」と統一したことにうなずけます。なお、I社のホームページには「無期雇用契約」と書かれていました。

 

企業は、従業員が柔軟に働き続けやすい環境と、公正な業績評価の仕組みを整える。そのための労務、人事管理の負担は相当なものですが、会社の成長に通じると期待するからこそ実施するのです。一方、従業員は性別や年齢に関わらず、家庭や勉強を理由に仕事を辞めずに済むものの、勤務時間内で結果を出すことが求められます。あまっちょろい考えでは、働きづらくなるでしょう。I社に倣う企業が増えるのか、今後に注目です。

[執筆:五十嵐 ゆき(キャリアコンサルタント), 2015年2月1日]

 

【参考】
※1. NTTコムリサーチ「「女性のキャリア意識」に関する調査」2014年4月22日
※2. 『日本経済新聞』「週12時間の正社員」2014年8月3日
※写真:(c) Konstantin Chagin / 123RF.COM、本文とは関係ありません