数年前から話題の「高度プロフェッショナル制度(ホワイトカラーエグゼンプション)」。この制度は、仕事の報酬を働いた時間ではなく成果で決めるもの。年収1075万円以上の専門職を対象に、政府は導入する方針だとか。「残業代ゼロ法案」と野党は反対していますが、早ければ来年春に施行となります(※1)。

年収1075万円以上の専門職は、働く人のほんの数%。インパクトのない制度だと他人事に思っていたら、いつか「え? 私も対象?!」となるかもしれません。働き方に対する考え方が変わる節目に、私たちは立っていると考えたほうがよさそうです。

 

■ 新たな法律は、始めちょろちょろ式

今では働き方の一つとして当たり前の人材派遣。派遣に関する法律の成立から改正への流れを、『ノーツマルシェ』読者に関連しそうなオフィスワーク分野で見てみましょう。

-1985年 労働者派遣法の成立。専門的な13業務に限り派遣を認める。(13業務の一つが事務機器操作)

その後、ニーズの高い一般事務を「事務機器操作」として派遣するなど、運用拡大。

-1996年 派遣法改正 対象業務を26業務に拡大。

-1999年 規制緩和により、対象業務の原則自由化。

-2004年 自由化業務の派遣期間を3年に延長。3年を超えて就業させたい場合は、直接雇用の申し入れを義務化。

 

派遣法も様々な角度から反対する声を受け、ちょろちょろ弱火で始まったのです。一概には言えないものの働く側の視点では、改正を経て、対象の拡大=働き方の選択肢および、選択できる人が増えたというメリットがありました。

 

■ 真の目的は、働き方の意識変革

再び、「高度プロフェッショナル制度」の法案です。対象が最初は限定的でも、やがて徐々に拡大すると予想されます。なぜなら真の目的は、報酬や組織への貢献を労働時間の長さと結びつける従来の働き方を変え、生産性の高い働き方への意識変革にあるから。雇う側が制度を悪用しないことが前提ですが、ワーク・ライフ・バランスを実現する政策の一つと見てよいでしょう。

高度プロフェッショナル制度(ホワイトカラーエグゼンプション)の今後に注目し、私たちも「生産性を高める働き方」を今から意識しましょう。

[執筆:五十嵐 ゆき(キャリアコンサルタント), 2015年5月11日]

 

【参考】
『産経ニュース』「「ホワイトカラーエグゼンプション導入法案」を閣議決定 野党は「残業代ゼロ法案」と対決」2015年4月3日