「離婚カウンセラー」の資格を取得し、夫婦問題に特化したカウンセリングを行って4年。相談者の年齢層は幅広く、筆者の場合、対象の多くが女性です。これまでの相談者の最年少は、新婚1か月の20歳の女性。そして最高齢は、83歳の主婦の方でした。

筆者が感じるのは、カウンセリングは、高齢になればなるほど「難しい」ということ。「幸せの定義」が多様化しているうえ、結婚の背景、環境、夫婦の性格、距離感や心理状況などが複雑にからみあい、結婚生活の歴史が長いぶん、そう簡単には共感・理解できないのは、当然かもしれません。

 

■ 究極の選択。「あきらめ」か「別れ」か

熟年以降になると、ほとんどの女性が子育てから手が離れ、親の介護や見送りなどを経験し、主婦としての役目を果たし終えています。そうした状況のなか、夫婦関係を改めて見直し、より人間の本質に近い部分で悩むことになるのが特徴です。

その結果、「あきらめ」か「別れ」の二者択一を迫られることも。関係の修復を目指すケースは、残念ながらあまり多くはないようです。

「あきらめ」は、婚姻関係を続けながら、互いに依存せずに生きていく結婚生活。

そして「別れ」は、ここまで我慢してきた結果の大きな決断。つまり「離婚」です。人生の残り時間が限られているからこそ、「自分に正直に生きたい」という結論になるようです。

 

■ たまった心の澱は、その都度吐き出して

「長く幸せな結婚生活を続ける」ことがいかに難しいか痛感させられますが、ここで見えてくるのが、「たった一人でずっと我慢を積み重ねてきた」という傾向。

夫婦問題カウンセラーとして、「人間、アウトプットをしなくてはならない」ということますます強く感じています。心の問題は一人で背負いきれるものではなく、たまった心の澱は、その都度吐き出さなければならないのです。

「離婚」は、しないに越したことはありません。ましてや高齢になってからの究極の決断は、心身ともに負担が大きく、できれば避けたいものです。

 

助けを求めるのは、弱い心ではなく、幸せになろうとする強い心。

自分の気持ちをうまくコントロールできなくなった時、心が折れそうになった時、思いがあふれそうになった時は、気軽にカウンセリングを受ける習慣を身につけてほしいです。近しい間柄だと、どうしても身びいきしてしまうので、身内や友人へは愚痴程度にとどめ、ぜひ、第三者の専門家の声を参考にしてみてください。

[執筆:渡辺 里佳(夫婦関係・離婚カウンセラー), 2015年7月19日]