2016年11月24日にNHKが放映した『クローズアップ現代』は、「恋人いらないってホント? 出現! “いきなり結婚族”」というタイトルでした。

「いきなり結婚族」というのは、恋人との交際期間や恋愛期間を省いて、いきなり結婚する人、あるいはしたいと望む人たちのこと。夫婦関係のカウンセリングを行う筆者にとって、少なからずショックを受けた、初めて聞く言葉でした。

そういえば、少し前になりますが、俳優の山本耕史さん&女優の堀北真希さんや、鈴木おさむさん&大島美幸さんカップルが、「交際期間ゼロで結婚した」と話題になりました。こちらのケースも「いきなり結婚」に該当するのかもしれませんね。

 

■ いまどきの若者は「面倒くさがり」!?

結婚前の若い人と話していると、「面倒臭い」という言葉が頻繁に出てくるのが気になります。

「出会いがない」「なかなかご縁につながらない」という声が聞かれるなか、ある女性は、「結婚はしたいが、おつきあいや恋愛をするのは面倒」だと話していました。感情の浮き沈みも含め、恋愛そのものを面倒に感じてしまうとのこと。

お付き合いしたものの別れてしまった場合は、新たに相手を探さなければなりませんし、子どもを産む性である女性は、身体的なタイムリミットもあります。となると「時間がもったいない」となり、これが「面倒」という言葉に繋がるようです。

 

■ 家計の負担をシェアして生活を安定させたい

番組内で紹介されていたシェアハウス暮らしを送る女性タマキさんは、結婚相手をネットで募集。仕事もプライベートも充実しているけれど、「子どもがほしい」のが理由だそう。夫婦で子育てしたほうがいいという考えです。現在、25名の男性が募集に応じているそうです。

もう一人の女性、26歳のチサトさんは、経済的理由で「同棲」や「結婚」を希望。家計の負担をシェアすることで、生活を安定させたいと望んでいました。

「若年貧困層」も増加傾向にあると聞きます。会社に勤め、毎日忙しく働いているにもかかわらず、家賃・生活費・通信費がかさみ、自分一人の生活にも困窮している状態なので、共同生活=契約結婚をすることで、生活コストを削減したい、という深刻な事情もあるようです。

 

■ ますます多様化していく結婚観

かつて、女性が生きていくため、家督制度を守るため、相手の顔も見ずに結婚していた時代もありましたが、現在は、合理性・機能性重視としての「結婚」にシフトしているようです。楽しいはずの恋愛が、今やコストがかかり、リスクの対象となってしまったのですね。

結婚観が加速度的に変化している昨今。「結婚する・しない」を含め、今後ますます結婚のカタチが多様化していきそうな気配です。

[執筆:渡辺 里佳(夫婦関係・離婚カウンセラー), 2016年12月4日]

 

【参考】
NHK『クローズアップ現代』「恋人いらないってホント? 出現!“いきなり結婚族”」2016年11月24日放送