「自分の子供は就職できるのだろうか」。
子供をもつ親ならば誰もが不安に思うことだと思います。若者の就職支援の経験を通して言えることは、 就職成功には母の存在が大きく影響するということ。正確に言うと「働く母の影響はさらに大きく影響します」。
目次
◆働く母の背中を見て育つ若者が増加中!
「母の働く姿をみて仕事選びの参考にした」
「希望業界のアドバイスをくれた」
「希望職種についている知人を紹介してくれた」
就職を決める若者たちの口から「働く母」の話がよく出るようになりました。実際に、新卒者の母親世代の就業率は増えています。20年前に比べると40代後半で2.3%、50代前半では6.1%増加しているのです(※1)。
◆「社会人の先輩としてのアドバイス」が効果あり
就職活動のときに若者たちが親に望むのは、親としてよりも「社会人」としてのアドバイス(※2)。 社会人としての心構えやビジネスマナーを知りたい、そして仕事の楽しさ、やりがいも教えてほしいというのが若者の本音なのです。 特に、家事や育児に忙しい中、ワーキングマザーが見せる「働く楽しさ」は、子供にとって強く印象に残るもの。その姿をみて働くイメージを身につけていることが多いといえます。
◆「良い母」だけではなく、「疲れた母」もたまには見せておく
そうはいっても、仕事が忙しくなると子供を構ってあげられないし愚痴もこぼしてしまう…と不安になる方もいらっしゃることでしょう。そんな時は、ありのままの姿を見せればいいのです!
「今日の仕事で嫌なことがあったのよ」
「もう、疲れちゃった」
そのまま出してみてください。そんな母の姿も、若者たちが社会で悩みを抱えた時の解決法のヒントになったりするものです。
◆その時、アドバイスができる「社会人の先輩」でありつづけるために
お子さんが小さい時の、仕事と家庭との両立。 育児休暇や時短勤務を経てのキャリアアップ。 ブランク後の再就職。 子供が就職するというその時まで働く母でいるためには、乗り越えなければならない壁がいくつも存在します。時にはリタイヤしたくなる瞬間もあることでしょう。
でも、それらもまた、子供が社会人になるにあたって、大きな財産となるのです。仕事に育児に一生懸命な姿は、彼らが親になったときの仕事と家族への向き合い方につながっていくからです。
母が働くということは、子供を社会人へと育てること。そして子供を通じて社会を育てることにもつながっていきます。さあ、今日も楽しく働きましょう!
【参考】
(※1)厚生労働省「平成22年版働く女性の実情」
(※2)立正大学「保護者のための就活読本」(pdfファイル)、法政大学「子供が就活で苦戦している。どのように対応すれば?」
【同じ筆者の記事】
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