「細やかさ」は、ン十年前から女性採用の視点のひとつでした。部下を持つ、あるいは部下を持つかもしれないあなたに、「細やかさ」を指導に上手に活かすポイントを、日本経済新聞の記事を参考にお伝えします。
■ 「細やかさ」のデメリット
記事によれば、女性上司への不満として挙がった項目は、「感情的なこと」「仕事のチェックが厳しいこと」。資料作成において細かな表現まで修正を指示されたり、細々と説明を求められたりと、指示・指導が細か過ぎて辟易した事例が伝えられています。
ちなみに、男性上司は多くの場合、仕事の任せ方が大雑把なのだとか。失敗してから指導することもあるそうで、部下としては後から言われても困ると感じることもあるそうです。
■ 「細やかさ」のメリット
記事では、部下の嬉しい声も紹介しています。大きな目標を示して後は任せきりではなく、目標到達のために段階的にこなすべきことを具体的に指導する「細やかさ」は、部下としてやる気につながるのだとか。
■ 「細やかさ」を指導に活かすポイント
記事から察するに、「細やかさ」が煩わしいか好ましいかの境目は、相手の気持ちに訴える伝え方ではなく、「相手の望みを叶える伝え方」にあるようです。
誰しも、失敗をできるだけ避けて行動したい・結果を出したいと考えるもの。細やかな指示・指導を肯定的に感じてもらうには、”事実”に焦点を当てながら望みに繋がる指示を伝えることです。例えば、部下が作成した資料により詳細な説明を求めるときの例をご紹介します。
× 「私は、あなたが失敗しないために、説明を求めているの」
これは、恩着せがましい、部下のためといいつつ自己保身と受け取られかねない、狡猾な伝え方。
○ 「この部分がわかりづらいから、説明を求めているの。」
これは、資料がわかりづらいという”事実”に焦点を当てており、良い資料を完成させたい相手の望みを叶える伝え方。
以上は、ちょっとオーバーな例かもしれません。私たちは、これまでの人生で誰かのサポートを得るために、”情に訴える”こともあったことでしょう。それは生きる知恵であり必要なことですが、指示・指導の場面では、今までとは異なる伝え方を意識してみてはいかがでしょうか。
あなたの伝え方が、さらにブラッシュアップしますように!
[執筆:五十嵐 ゆき(キャリアコンサルタント)]
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【参考】
※『日本経済新聞』 2013年6月1日 33面「女上司へ 部下へ ホンネでお願い」