「5月病」ならぬ「6月病」という病名を耳にするようになりました。「5月病」は、主に新入生や新入社員にみられる症状で、新しい環境に適応できず、ゴールデンウィーク明けから気力低下や心身の疲労に苦しむ状態のこと。一方、「6月病」は研修を終えて仕事が本格化し始めた新入社員だけではなく、異動・転勤・転職などで職種や環境が変わった中堅社員も発症する可能性が。職場のプレッシャーと梅雨時の天気が重なり、体調を崩して休みがちになるのだそうです。
■6月病チェックリストを参考に
疲労感や孤独感、食欲不振などの自覚症状がある時。それは6月病なのか、単なる疲れなのか、はたまたうつ病の予兆なのか、なかなか素人には判断がつきにくいもの。参考になるチェックリストがAERA(※1)に掲載されていたので、その一部をご紹介したいと思います。
【6月病チェックリスト例】
- 月曜日の遅刻や欠勤が増えた
- 金曜日の夕方になると明るい気分になり、日曜日の夕方になると憂鬱
- 会社に行くのが怖い
- 会社に近づくにつれ、動悸、吐き気、めまい、ふらつきが増す
- 自分は職場で孤立無援だ
など。記事中では10項目が紹介されていましたが、三つ以上該当したら、6月病の可能性が高いとのこと。あなたはいかがでしょうか?
■「サザエさん症候群」だと思って軽視は禁物!
前述の6月病のチェックリストを見ていて、何か気がつきませんか? 「日曜日の夜になると憂鬱」「月曜日の遅刻や欠勤が増えた(会社に行きたくない)」など、これは俗に言うサザエさん症候群ではありませんか!
6月病にかかる要因は、主に3つあるそうです。1つ目は上司との関係、2つ目は仕事の適性、3つ目は仕事量の多さ。
月曜日の出社が憂鬱な理由が、単純に「土日の週末が楽しすぎたから」であればいいのですが、もしも「上司」や「仕事そのもの」が苦痛になっているのだとしたら、大きなストレスを抱えていることになります。
■
もしかして6月病かも? と思ったら
6月病は、医学的には「適応障害」に当たります。心療内科や精神科に行くのは抵抗がある…、そんな時にはカウンセリングが良いでしょう。適応障害はストレスが原因となって発症するため、カウンセリングは有効な方法だそうです。6月病になるのは責任感が強く、頑張り屋さんが多いそう。一人で苦しまずに、専門家を上手に頼ってくださいね!
[執筆:菅野彩子(編集部)]
【参考】
※1) 塩月由香(2013)「社会人を悩ます6月病」『AERA』2013年6月24日号 pp.22-23、朝日新聞出版
※「サザエさん症候群」とは、日曜日の夕方から放送される『サザエさん』を見た後、翌日からの通学・通勤という現実を思い出して憂鬱になり、心身の不調を訴える症状の俗称