誰もがなくなればいいと思っているのに中々なくならないもの、その一つは長時間労働。仕事量は変わらないのにヒトは減っているから仕方ない…なんて惰性で、現状を受け入れてしまっていませんか?
■ 働けど働けど…な日本人?!
専門機関の調査(*1)によれば、2010年度の日本人の平均年間総実労働時間は1733時間。20年前の2031時間から着実に減っています。他の先進諸国はどうでしょうか。
ワーク・ライフ・バランス先進国のイメージのスウェーデンは1624時間、長い夏休みが特徴のフランスは1562時間、そしてアメリカは1778時間でした。日本よりもアメリカのほうが長時間労働とは、意外な結果ではないでしょうか?
しかし、労働生産性水準値をみると、日本を100とした場合にアメリカは132.1、フランスは134.5。彼らのほうが付加価値の高い製品やサービスを生み出し、あるいは限られた時間内で効率よく働いているのです。
■ カギは残業時間を減らすこと
付加価値の高い製品やサービスを個人ですぐに生み出すことは、簡単ではありません。しかし、効率よく働くことならば個人でも工夫できそうです。
日本経済新聞記事(*2)が、残業を減らす方法を以下のとおり紹介していました。
- 出社後まず、今日やるべき仕事をリストアップし、優先順位をつけて、定時退社までの予定を15分で決める。
- 1~2時間の「集中タイム」を設定。その間は、仕事以外の雑談を控えるよう職場で頼む。
なるほど! 一見すると、「そんなのやっている!」と言ってしまいそうな内容ですが、それぞれのポイントは時間を決めて集中することや、周囲の協力も得て独りよがりにならないことですね。
効率的に働けば、空いた時間を自分や家族のために使うことができますね。それは、あなたらしいワーク・ライフ・バランスの充実にもつながります。
[執筆:五十嵐 ゆき(キャリアコンサルタント) ]
【参考】
※1. 独立行政法人労働政策研究・研修帰国「データブック国際労働比較2012」1章 経済・経営、6章 労働時間・労働時間制度より
※2. 日本経済新聞2013年7月23日「残業減らす達人の技」