フランス女性であり、アメリカ市民であるミレイユ・ジュリアーノ氏。彼女はシャンパンの世界的トップブランドとして知られる「ヴーヴ・クリコ」の米国現地法人の社長兼CEO。そんな彼女が働く女性が健康的なワーク・ライフ・バランスを手に入れる秘訣を語った著書『フランス女性の働き方』からエッセンスをご紹介します!
■ 職場での女性は「ソワニエ」であるべき!
「ソワニエ」とはフランス語で「大事に扱われるべき」といった意味で、日本では主に飲食店での店にとって大切なお客様を指すいわゆる「上客」の意味で使われる言葉として認知されているようです。ミレイユは職場でも、女性はちゃんと身だしなみを整え、きちんとして見えるべきと主張し、第一印象は仕事でもプライベートでも重要であると述べています。またきちんとした服装をしていれば、雇用や昇進につながるだけでなく、尊敬とプロとしての賞賛を得られるとも。
ちなみにNGなイメージの例はこちら!
- 透ける服や胸元が深く開いている服
- 濃すぎるメイク
- アクセサリーのつけすぎ
- 男性のように装う
上記にあてはまるファッションをしている方は、TPOに合わせたソワニエを意識してみましょう!
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ビジネスウーマンとビジネスマンは違う
男に伍して働き、まるでオスカル(※1)のように女性らしさを封印しては女性であることを楽しめません! でも女性らしくふるまい、同時に有能であるのはどうしたらいいのでしょうか? ミレイユからのいくつかのヒントをご紹介します。
- 仕事で泣かない (感情的で傷つきやすい人間だと思われないため)
- 声の高さを調節する (相手に敬意を払い、プロらしく対応する話し方を工夫する)
- ゴシップを発信しない (ウワサ話もほどほどに)
- 助言者を得る (長期的視点で自分の成長に助言してくれる女性上司は少ない)
これらは筆者がミレイユの提言から特に大切だと感じたものをまとめたものですが、日本のキャリアウーマンの世界にも共通するルールが多いのではないでしょうか。
■ 少なければ少ないほどいい
ミレイユの大切にしている価値観の中で、この「少なければ少ないほどいい」というフレーズが、場面を変えて複数でてきます。日本でも最近「断捨離」なるものが流行っているますが、 ミレイユが母親から受け継ぎ、ビジネスでの成功哲学にしているのがまさにこの発想なのです!
例えば、ワードローブは上質なものを少ない数で揃えることを勧め、プレゼンのスライドも少なければ少ないほど良しとし、コミュニケーションの取り方でもしゃべりすぎは禁物と述べています。筆者は全部「多め」にあてはまってしまうので、もっと「少なく」する判断力や選択眼を持たねば! と改めて感じました。
最後に、ワークライフバランスを保つためには、「自分自身のために時間を作ること」というミレイユの言葉を胸に留めて、この秋を過ごしたいと思います。
[執筆:藤崎 葉子(キャリア アドバイザー) ]
【参考】
※ ミレイユ・ジュリアーノ (2010)『フランス女性の働き方―仕事と人生を楽しむコツ』日本経済新聞出版社
※1. オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ。池田理代子の漫画『ベルサイユのばら』の主人公。