安倍政権は女性活用指針の一つに、2020年までに指導的地位に占める女性の比率を30%まで増やすことを掲げています。あなたが管理職を目指すならばチャンス到来! とはいえ、「女性だからゲタを履かせてもらった」などと誤解されないようにしたいもの。誤解を避けるヒントは、よく聞く女性の弱点にありそうです。
■ 女性は感情的と思われがち
日経ビジネス(※1)に掲載された調査をご紹介しましょう。
設問1. 女性上司と仕事をして、働きづらさを感じたことは?
という問いに対して、「働きづらいと感じたことのある男性・女性は、42.6%」との結果。
設問2. 働きづらい理由は?(複数回答可)
という問いに対して、回答は「感情的になる傾向がある」がダントツ一位の69.6%。
女性は感情的。そんな先入観ありきの印象を受けますが、思い当たることはありませんか?たとえば業務上で叱責された後、同僚にその旨をこぼすときの第一声は、次のようではないでしょうか。
・男性「まいったなぁ、どうしよう。」
(叱責された事柄そのものに意識が向いている)
・女性「あんな言い方、ないと思う。」
(叱責された事柄そのもではなく、表現方法に意識が向いている)
この場合、女性の表現に対して、話をすり替えて自分の非を認めないような、子どもっぽさを感じませんか?
■ 女性は人間関係にストレスを感じやすい
厚生労働省(※2)の調査によれば、男性のストレス内容は高いものから順に、仕事の質(36.3%)・仕事の量(30.3%)・職場の人間関係(30.4%)となりました。トップ3各々の割合は、それほど大きくありません。
一方、女性の場合は、職場の人間関係(50.5%)・仕事の質(32.5%)・仕事の量(31.1%)の順。職場の人間関係が突出していることから、女性は「他者との調和」を大事にする傾向があり、それゆえ悩みの種にもなることがうかがえます。
管理職を目指す女性に対して、男性だけでなく女性も冷めた視線を送る、あるいは送られている気がする、との悩みをまだまだ耳にします。めげずにしなやかに、誠実に職場で振る舞い続けましょう。あなたの一生懸命な上昇志向を応援します!
[執筆:五十嵐 ゆき (キャリアコンサルタント)]
【参考】
※1. 『日経ビジネス』「女性昇進バブル」2013年8月26日号,日経BP社
※2. 厚生労働省「平成19年労働者健康状況調査」2008年10月発表