保活をクリアして無事に保育園生活を送るのもつかの間、次に仕事と育児の両立には、子どもの小学校生活の壁が立ちはだかっています! 働くママがクリアすべき、次の壁はなんでしょうか?
■ まずは「小1の壁」
たくさんの働くママとお話していると、小学校1年生にあがるタイミングでお仕事を辞める方が少なくありません。小学校に入ったら学童があるでしょ? と気軽に考えるのは禁物です。両親が働いていることを前提とした、いたれりつくせりの保育所とは雲泥の差であることをご存知ですか? ポイントは主に3つあります。
1.学童でも待機児童!
厚生労働省が10月4日発表した調査によると、東京都内における学童保育数は前年同期から397カ所増えて過去最多でしたが、希望しても利用できない「待機児童」も1168人増えて8689人に上っています(※1)。
2.預かり時間
東京23区では「預かり時間は最長でも夜7時まで」となっており、延長保育がないため働き方の見直しが必要になるケースも。今まで民間の保育所で夜8~9時まで利用可能だった環境の方には、厳しい現実です。
3.保育の質の低下
学童の定員は、子ども一人当たり1.65平米を基準にしていますが、認可保育所の1.98平米よりも狭く、イモ洗い状態となるところも。また、自治体が運営する学童クラブの指導員と呼ばれるスタッフは、約70%は保育士または教諭などの資格を持っていますが、学童専門では資格が無いのが現状です(※2)。
■ 次に「小4の壁」
小学校低学年を無事に乗り切った後に待ち構えるのが、「小4の壁」。
これは自治体が運営する学童施設の多くが、小学4年生以上を対象としないため、小学校4年生になったとたんに、放課後の預け先がなくなってしまうのです。また、単純に預け先がなくなるだけでなく、4年生ともなると勉強そのものへの問題が顕在化。4年生ともなると勉強のレベルが格段にあがり、思うように成績を出せないという課題や、中学受験をするか否か等の課題も迫ってきます。中学受験をする場合は、勉強をみたり、夜の塾通いのためにお弁当を持たせることになったり、親のサポートが欠かせません。
小学校低学年までに学習習慣をつけさせ、その後の選択肢を広げてあげたいと思うのが親心。小学生になる子どもの放課後環境をいかに整えるのか、ママが長く働くために必須の対策となります。学童に関しては、地域により運営方法が異なり、民間事業者も新たに参入しているので、地域情報は要チェックです!
[執筆:藤崎 葉子(キャリア アドバイザー)]
【参考】
※1. 『日本経済新聞』2013年10月4日「学童保育施設、最多の2万1400カ所 5月時点」
※2. 全国学童保育連絡協議会「学童保育の現状と課題、私たちの要望」(2010年5月)PDF