日経新聞(※)によれば、世界経済フォーラム(WEF)は2013年10月25日、世界各国の男女平等の度合いを指数化した2013年版「ジェンダー・ギャップ指数」を発表。日本の順位は調査対象136カ国のうち105位となり、前年より4つ下がるという残念な結果となっています。今回は世界と比較した日本の女性の状況を考えてみたいと思います。
■ ジェンダー・ギャップ指数となにか?
どうしてこんな順位になっているのか、その理由は、ジェンダー・ギャップ指数の出し方にあります。この指数は、「経済」「教育」「健康」「政治」の4分野における男女格差を総合して割り出していますが、識字率や高校までの教育水準では世界1位にもかかわらず、日本は「経済」と「政治」の分野で指導的な立場にいる女性が少ないため、順位が低くなっているのです。
■ 最低順位を更新する日本
順位の低下は3年連続で、同指数の発表が始まった2006年以降の最低を更新しています。経済協力開発機構(OECD)加盟国で日本より順位が低いのは111位の韓国だけということで、なんともさみしい現実です。
ちなみに1位は5年連続でアイスランドで、2位以下はフィンランド、ノルウェー、スウェーデンと北欧勢が続き、上位10カ国のうち7カ国を欧州が占めます。アジアで最高は5位のフィリピンで、同国は大学や専門学校に進学する人に占める女性の比率が世界で最も高く、政治への参加も世界で10位と高く評価されたとのこと。アジアでも、こと女性の活躍に関してはまったくの後進国と言えるでしょう。
■ 大がかりな調査の意味は?
女性が社会進出することの是非については、国ごとの価値観、個人レベルでもさまざまな意見があるでしょう。しかしこの「ジェンダー・ギャップ指数」は「世界経済フォーラム」、つまり、経済に関する国際的な機関が大変おおがかりな調査を行って算出しています。100カ国以上にのぼる国々について、各分野の男女平等状況を指数化し、分析して、毎年報告書として公表しているのです。それはつまり、女性の活躍と経済発展が密接な関係にあることが、すでに世界の常識となっていることを示しているのではないでしょうか。
安倍政権の成長戦略が短期的なものに終わらず、日本でも本当の意味で女性が活躍できる環境となることを願い、筆者も女性のキャリア支援に取り組みたいと思います!
[執筆者: 藤崎 葉子(キャリア アドバイザー) ]
【参考】
※ 『日本経済新聞』「男女平等指数、日本3年連続低下の105位 世界経済フォーラム」2013年10月25日