春は新たなスタートの時期ですね。そんな大切な時に限って、なぜか体調を崩しやすい方も多いのではないでしょうか。頭痛・腹痛、疲れが取れにくい、食欲不審、眠りが浅い、 風邪をひきやすい……など。
体の不調は季節の変わり目だから? いいえ、原因はそれだけではないようです。
■ そのストレス、春だからこそ!?
50年近く前にアメリカで、興味深い調査データが発表されました(※)。Thomas HolmesとRichard Raheによるそのデータは、人生における大きなイベント、例えば配偶者の他界や離婚などを、ストレス要因として数値化したもの。
そこで挙げられたストレス要因の中には、ネガティブ(マイナス)項目だけではなく、「結婚、妊娠・出産、進学・進級、栄転・引越し」など、おめでたいとされる出来事もストレスを引き起こす要因(ストレッサー)として挙げられています。
新しい世界へと環境が変化する時、人は不安を感じ、克服するための勇気も必要とします。生活上の大きな変化(ライフイベント)では、心的労力を課す慶事もストレスに成りうることを、上記の調査は示唆。それは現代を生きる女性も変わらないようです。
なんとなく感じていた不調の原因、お解りになりましたか?
■ 春特有のストレスの簡単な対処法とは
ストレスへの対処法としては、まずは身近なひとに相談してみませんか? 少しだけ人生の先を歩んでいる人に、「こんな時はどうでしたか」と素直に聞いてみるのです。例えば、会社の先輩。あなたからの相談に自身の思い出を重ね、経験者として解決方法を教えてくれるはず。
ご両親や兄姉などへの相談もおススメです。家族のライフイベントには特別な想いがあり、豊かな語らいへと発展するかもしれません。
心を開いて相談することは、ストレス解決の糸口を見つけるだけではありません。大事の前に、日頃のコミュニケーション不足も補えるという、プレゼントまで付いてきます。
■ さらに一歩進めた対処法とは?
プライバシーの関係で近しい方にも相談が出来ない時は、専門のカウンセラーを頼ってみませんか? 体調不良やストレスを抱え込まず、心に溜めた想いは言葉にして吐き出しましょう。その後は、まるで深呼吸したように新たな空気(思考)が入ってきて、元気な一歩を踏み出すことができます。
春のスタートはご自身の手によってスッキリと、自分らしさで彩りましょう!
[執筆:桜井まどか(心理カウンセラー)]
【参考】
※『社会的再適応評価尺度』 (「Holmes and Rahe stress scale」 Holmes, T.H. & Rahe, R.H., 1967) アメリカの精神科医Thomas Holmes と Richard Raheによるアンケートに基づく社会的心理調査。