今年に入って、マスコミを賑わせているキーワードの一つが「リケジョ」。理系女子の存在に注目が集まっているのは、「STAP細胞」の小保方晴子氏に関する一連の報道が影響しているかもしれません。一方で、受験シーズンとも重なり、理系大学を受験する女子学生の割合が増加していることも話題になりました。
■ リケジョ人口は増加する一方
『東洋経済ONLINE』2014年3月24日の記事(※)でも、「リケジョの台頭」を取り上げています。それによると、理系大学志願者数に占める女子の割合は、03年と13年の比較で、10.2%から13.8%(慶大・理工学部の場合)に占有率が上昇していると報じています。
将来は、研究者や技術者として活躍できる可能性も高く、これからもリケジョ人口は確実に増えていくことでしょう。
しかし一昔前は「理科や数学やっている女の子なんて、お嫁に行けないよ」と親に反対され、リケジョが敬遠された時代もあったのです。彼女達が母親となり、白衣でバリバリ仕事をするという自分の叶えられなかった夢を、娘に重ねる人もいるのです。
■ 研究者の夢を娘に重ねる
そんな母親の夢を代わりに実現したC子さんは、現在、某メーカーの研究所に勤めています。小学校の頃からあまり勉強しなくても成績がよく、母親に勧められるままに理系の大学を卒業。気が付けば、研究所内で実験データを取る毎日。
しかし数年前から、「私はなぜ、ここにいるのか?」と疑問をもつようになり、母娘問題カウンセリングを希望して筆者のカウンセリングルームにお越しになりました。
「小さい頃から、母にずっと言われ続けてきました。『もし、お母さんが研究者になっていれば、お父さんと離婚しても生きていけたのに。女は自分で稼げる職業につかなきゃだめよ』と」
「研究者の白衣を着たかったのは母親、私の人生は違う」。カウンセリングを通して、C子さんは、算数や理科が苦手な子供を勉強面でサポートしたいという自分がやりたい仕事が見えてきたと言います。まずは、それを母親に伝えること。これがC子さんの新たな第一歩となるのでしょう。
[執筆:真香(母娘問題カウンセラー) ]
【参考】
※ 『東洋経済ONLINE』「大学・学部別 難易度ランキング トップ30」 2014年3月24日