日本経済新聞の記事(※1)によれば、男性上司の3人に1人が、同性の部下のほうが女性の部下よりも「使いやすい」と考えているのだとか。働く女性にとっての職場は、サッカーでいうところのアウェイと言ったら言い過ぎですが、現在の日本は管理職の9割が男性なのです。
そんな上司には、部下から歩み寄ることを勧める記事。これを参照しつつ、上司の取扱説明の具体策をお伝えします。
目次
■ 上司なりに気遣い
記事によれば、男性上司の約36%が、男性部下は女性部下より「使いやすい」と回答。「人による」と回答した37%と拮抗しています。ちなみに「どちらも同じ」との回答は約20%。
「使いやすい」理由で目立ったものは、言いやすい・話がしやすい・気を遣わなくていい、なのだとか。女性部下に遠慮し、どの程度歩み寄っていいのか悩む姿が想像できますね。女性の本音は、気を遣ってほしいと頼んでいないし……でしょうか。
そこで、部下から「これができます、やります」と伝えたり、「こうしていいですか」と伺いを立てたりして、どこまで大丈夫かを伝えることを記事は勧めています。
■ 部下から先手を打つには
これを、自分の気持ちや考えを言葉できちんと上司に伝えよう、すなわち“アサーティブに”上司に伝えよう、と言い換えてみましょう。
アサーティブさは、「言いたいことが言えない」または「言い過ぎてしまう」と悩む人の専売特許ではなく、日常のコミュニケーションとして誰もが使える表現です。
アサーティブな表現の、いわば公式をDESC話法といいます。
D(Describe):事実(または状況)を伝える
E(Express):自分の考えや気持ちを伝える
S(Suggest):提案してみる
C(Consequence):結果を示す
上記のDからSまでをきちんと伝えるなら、職場のホウ・レン・ソウに通じます。例えば、上司から急ぎの資料作成を頼まれたものの、自分のお客様に、明日の朝イチで見せる資料を作成している状況だとしたら、こんなかんじになります。
D: 今、明日の朝イチでA社に持参する資料を作成中なんです。
E: 先方に約束していますし、申し訳ありませんがこちらを先に仕上げたいんです。あと1時間ぐらいで終わると思うので、
S: 課長のご依頼は、こちらが終わり次第すぐに始めます。それでよろしいでしょうか?
条件はあるけれども上司の依頼に応えられる、大丈夫ですと伝え、上司を安心させるのです。余談ですが、相手に決定を委ねる形は、相手のココロをくすぐりますよ。このようにあなたが歩み寄ることで、上司との関係をより良いものにしましょう。上司との関係が上手くいくならば、きっと仕事をし易くなりますよ。
[執筆:五十嵐 ゆき(キャリアコンサルタント)]
【参考】
※ 『日本経済新聞』2014年4月19日「男性上司の遠慮に先手」