待機児童解消のために保育園を増設しても、保育園の先生が不足しているという話を聞いたことはありませんか? 保育園の先生は、女の子の憧れの職業として挙げられる一つでもあるので、先生になる人は多いイメージがあります。しかし、不足しているのが現実。働く職員がいないと結局のところ、待機児童の解消にはならないのでは? と心配になりますよね。
なぜ、保育園の先生は不足しているのでしょうか?
■ 保育士の資格取得は難しいの?
保育園の先生になるには保育士の資格が必要となります。保育士の資格を取るにあたっては、短大や専門学校などで勉強して必須単位を取るほか、年に一度の試験を受けて合格する方法もあります。学校に通っている場合は、見学や実習、ボランティア活動なども行うため、学生生活はかなり目一杯になります。
結論としては、学校へ行った場合はそれなりに勉強をすれば資格が取得できます。試験を受けて取得する場合は、少々難しくなり、しっかり勉強をしなければ取得は難しいです。
■ 保育園の先生の数が少ないのは、どうして?
保育園の先生の数が少ないのは幾つかの理由が挙げられます。
よく言われるのが、保育園の先生の働く待遇が悪いこと。小さな命を預かって毎日の生活を送るため、肉体的にも精神的にも気を張っています。それにもかかわらず年収はなかなか上がらないために、一度職を離れてしまうと、正社員で働くことが少なくなるようです。
また、意外な理由として挙げられるのは、保育士の資格取得後に、保育士の資格を活かせる職場は保育園だけではなく、養護施設や福祉施設など、多岐にわたっている点です。
例えば、美容師だったら美容師に。看護師だったら看護師に、となるのが一般的だと思うのですが、保育士の場合はそうはならないのです。一つの資格を多岐にわたって使用できるのはいいのですが、「保育の学校を卒業した」イコール「保育園の先生になる」といった図式が成り立っていないのです。
保育園の先生不足の解消のため、再就職する人の掘り起こしや、資格がない方でも働きながら資格が取れるようにサポートする保育園なども増えてきています。このような取り組みをする園が増え、一人でも多くの先生が現場に出てくれ、待機児童解消につながることを期待します。
[執筆:三木育美(保育情報アドバイザー)]
※ 児童福祉法では「保育所」の表記が本来の呼び名ですが、一般的ではないので、本記事では「保育園」と記載しています。