節電意識の高まりとともに、職場のクールビズはすっかり定着。始まった10年前は、男性のほうが何を着たらいいのか悩んだものですが、今や女性のほうが頭を悩ませているのではないでしょうか。働き方や経歴が多様になり、各々の前職でのドレスコードが微妙に異なる今、「それってどうなの?」と思っても言えないことがありますね。
■ 職場にふさわしいか、という曖昧さ
6月28日の『日本経済新聞』の記事よれば(※1)、職場でのドレスコードについて「暗黙のルールがある」と「定められている」を合わせると、77%が「ある」と回答。ただし、「定められており、厳守を求められる」と回答した割合は12%に過ぎず、個人の判断に委ねられているようです。
となると、女性の装いアイテムにはバラエティがあり、たとえばパンツの丈ひとつとっても悩ましい。前述の記事において、職場にふさわしくないとして回答例の多かったものを順に、以下に挙げます。
- キャミソールやタンクトップ
- ショートパンツやホットパンツ
- ひざ上20cm以上のミニスカート
過度な露出はNGであることは、十分に納得! ところが記事には、足首が出るクロップドパンツがNGという声もありました。筆者も、法人のお客様に会う場合には、クロップドパンツを履きません。
■ 第三者に印象づけるために
6月20日の『日本経済新聞』の記事では、他社と企業イメージを差別化する方策のひとつとして、女性のドレスコードを細かく規定した会社を紹介しています(※2)。その内容例は、次のとおり。
- 派手なネイル装飾はNG
- スカート丈はひざ上7cmまで
- ネックレスチェーンは細いもので、長さ40~45cmまで
- ペンダントヘッドは直径1.5cmまで
ちなみに、「ワンランク上の接客をめざす」あるいは「自分のためにするおしゃれと、第三者からみて美しいと感じる服装が違う」ために規定したそう。
なお、記事によれば「きちんと見せつつ自分らしさも」に応えるお助けアイテムは、ジャケット。国内売上第一位の百貨店で一番売れているものも、ジャケットなのだとか。
キャリアコンサルタントとして筆者も、就職や転職活動時の服装では、自分らしさよりも「他者から見たきちんと感」を意識するよう伝えています。初対面できちんと見える人になぜか安心した経験が、あなたにもあるでしょう?職場にふさわしい装いを、他者から信頼されるかどうかの視点で考えると迷いが軽くなりますよ。
[執筆:五十嵐 ゆき(キャリアコンサルタント)]
【参考】
※1. 『日本経済新聞』2014年6月28日「夏の通勤に着たい服・ダメな服」
※2. 『日本経済新聞』2014年6月20日「「ミニスカはNO」広がる職場のドレスコード 」