女性がもっと仕事と家庭を両立しやすい職場に! という声が高まるなか、「イクボス」が注目されています。先日の『日本経済新聞』の記事(※)で紹介されており、イクボスとは、部下の育児にも気を配る管理職のことだとか。イクボスを知ることは、管理職のロールモデルを探す私たち女性にとってヒントになりそう?!
■ イクボスとは?
上述の記事によれば、厚生労働省はイクボスの条件として次の3つを挙げています。
- 部下の子育てと仕事の両立に配慮
- 業務効率向上のために工夫
- 自分も仕事と生活を充実させている
注目したいことは3つ目。“仕事と生活”であり、“仕事と子育て”と限定していないこと。ロールモデルといえば、育児経験のある女性管理職の中から探そうとしがちです。けれど、“生活=仕事以外の時間”と捉え、その充実のために手際よく仕事し、部下にも配慮ができていれば、育児経験がなくても女性でなくても、ロールモデルになりそうです
■ イクボスの例
記事で紹介されたAさんは50歳。大手会社系列で社長を務めますが、繁忙期以外は率先して早く帰宅。また、仕事と育児を10数年前から両立。同僚の支持が得られるよう、権利を振りかざさず、仕事で成果を出し続ける努力をしたそう。
そんなAさんは、育児を私生活のひとつと位置付けるのだとか。友人との飲み会、地域活動なども私生活。職場の誰もが私生活を優先できる雰囲気づくりが、イクボスの役割だと考えています。
Aさんの歩みから私たちが学ぶことは、シンプルです。
- 育児のために早退・休んだら、仕事の一部を肩代わりしてもらったら、謙虚であること。卑屈になるということではなく、謝意を示し仕事に全力で臨むこと。
これは両立するための原理原則と言えるのでしょう。チームの輪を乱さない心配りは、組織の一員として必要なことなのですね。
身近にロールモデルがいない……。そう感じるとき。私たちは無意識に、女性の中から探そうとしていたのかもしれません。男性上司にも話を聞くなどして、広い視野のもとロールモデルを見つけたいですね。
[執筆:五十嵐 ゆき(キャリアコンサルタント)]
【参考】
※1. 『日本経済新聞』2014年9月18日「固定観念 男から挑む」