出産を経て、ベンチャー企業にパートタイムで再就職を果たしたAさん。仕事は気に入っているけれど、社長の態度が気になるそう。「私に至らない所があるのか苛立っているようで……社長と話さなければならないときは、気が重いんです」と筆者のところにキャリアカウンセリングにいらっしゃいました。
気が重いと自然に足が遠のき、やがてはお互いの距離が離れてしまいそう。もし、あなたが管理職以上なら『マイナビウーマン』「部下との距離感がちょうどいい上司の共通点」(※)の記事をヒントに、そのコツを考えましょう。
■ 距離感がちょうどいい、とは?
上述の記事によると、「距離感がちょうどいい」上司の共通点は、1位から順に以下のとおり。
- 1位:気分にムラがない
- 2位:男女差別をしない
- 3位:作業がテキパキしている
1、2位は、上司であろうとなかろうと(同僚や後輩、顧客、友人…自分自身も!)、人として備えておきたい資質だと感じます。例えば、気分が一定していれば相手に安心感を与え与えられ、お互いの間に信頼感が生まれます。性差による差別は、現代に生きる人としてナンセンス!
3位は、上司はデキる人であってほしいという期待からでしょうね。さて、あなたはいかがですか?
■ その苛立ち、適切ですか?
冒頭のAさんは、ご自身の報告が簡潔ではないことが原因だと考え、自分なりに努力していましたが、状況が好転しないとか。このままだと居辛いから辞めようかな……ともおっしゃいました。
部下の報告に上司として苛立つとしたらそれは、「私ならもっと上手く報告するのに」という気持ちを、部下にぶつけているため。あるいは、自分の手足のように動いてほしいのに、ままならないから。経験値の異なる相手を自分と同じレベルで見て、能力以上のことを要求し過ぎていることに気づいていないのです。
「名選手は名監督にあらず」。部下に苛立つ人にはデキる人が多いのですが、相手の至らなさが目に余るときほど「要求し過ぎ?」と自問自答するクセをつけると良いでしょう。あなたには、魅力的な上司でいてほしいです。
[執筆:五十嵐 ゆき(キャリアコンサルタント)]
【参考】
※ 『マイナビウーマン』「デキる上司はココがちがう! 女子に聞く「部下との距離感がちょうどいい上司の共通点10」2014年11月10日
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