家族や実家の両親から「PCで年賀状を作りたい」「スマホの使い方教えて」と聞かれ、きちんと教えるつもりが会話が噛み合ず、いつしか喧嘩になってしまったことはありませんか? 仕事では丁寧なコミュニケーションを心がけているのに身内には遠慮がないため厳しく対応してしまう、それには理由があるようです。
■ 「デヂカラ」を意識
初心者に解りやすいと人気の『たくさがわ先生が教える パソコンの困った! お悩み解決超入門』(※)によれば、PC操作に関連して生じる言葉のすれ違いや喧嘩を避けるために必要なものは、デジタルとチカラの造語「デヂカラ」とのこと。
次の3つのデヂカラはコミュニケーションの基本です。PCやスマホを教える・教わる立場、どちらもが実践したいことです。
- 「質問する力」… 教わる側は諦めずに、知りたい事や不明になった段階をきちんと伝える
- 「説明する力」… カタカナの専門用語は解りやすい日本語に置き換える
- 「家族への思いやり力」… 「こんなことも知らないの?」といった発言は控え、不要なひと言で相手を傷つけない、解らなくても当然と捉える
■ 守り育てたいこと
先日、シニア向けにアップルストアが開講するiPad無料レッスンに母を連れて筆者も参加したところ、平日は参加者でギッシリでした。インストラクターは「最低限必要な操作について説明し、それ以外には触れません」と明言。滅多に使わないテクニックよりも日常的な疑問に添って話が進むので、レッスン参加者も他の人から置いていかれそうな不安や怖がることがありませんでした。
夫婦や親子間も最小単位の社会、コミュニケーションの目的や効果を意識して話すべき場面もあります。「知らなくても当然、恥ずかしいことではありません」という言葉掛けと意識は大らかな空気を作り、理想的なコミュニケーションのスタートになります。
いずれ私達自身も手に負えない機器と遭遇して困ったり、PC関連スキル以外にも加齢に伴う生活上の問題に直面するかもしれません。今は教える側・教えられる側双方の気持ちや世代間の違いを味わうための準備期間でもあるのでしょう。それぞれの立場を知り歩みよることで、身近で大切なひととのコミュニケーション力も年々進化させていきたいですね。
[執筆:桜井まどか(美エイジング(R)心理カウンセラー)]
【参考】
※ たくさがわ つねあき(2011)『たくさがわ先生が教える パソコン超入門の本 <Windows7対応>』技術評論社