■ 「初夢」っていつ見る夢のこと?
初夢とは、一般的には“年の初めに見る夢”と紹介されています。具体的な日付は諸説ありますが、以下の3つが主に言われているようです。
- 大晦日の夜から元日の朝にかけて見る夢
- 元日の夜に見る夢
- 1月2日の夜に見る夢
Wikipediaによれば、「初夢」が登場する初めての文献は鎌倉時代で、西行法師による『山家集』とのこと。『山家集』では、暦上の新年とは無関係に、節分から立春の夜に見る夢を初夢としているようです。当時は、立春が新年の始まりと捉えられていたからだと思われます。
■ 「宝船」の絵を描くのはどうして?
「長き夜の 遠の眠りの 皆目覚め 波乗り船の 音の良きかな」という回文を、ご存知でしょうか。縁起のいい初夢を見るための風習として、七福神が乗っている宝船と前述の回文を描いた紙を、枕の下に敷いて寝るべしという言い伝えが室町時代から(説によっては江戸時代から)広まったとされています。
ちなみに、七福神をすべて言えますか? 思い出せない方は、以下で確認を。
- 恵比寿…商売繁盛の神様
- 大黒天…五穀豊穣の神様
- 弁財天…学芸成就の神様
- 毘沙門天…厄除けの神様
- 寿老人…延命長寿の神様
- 福禄寿…生活安定の神様
- 布袋尊…家内安全の神様
■ 縁起がいい夢とは?
昔から、初夢に見ると縁起が良いものとして「一富士二鷹三茄子(いちふじ にたか さんなすび)」と言われています。Wikipedia(※)には、以下の由来が紹介されています。
江戸時代に最も古い富士講組織の一つがある駒込富士神社の周辺に鷹匠屋敷があった事、駒込茄子が名産物であった事に由来する。
他にも諸説あるようですので、いくつかご紹介しますね。
- 徳川家康が好きだったもの(富士山、鷹狩り、初物のなす)
- 日本一の山である「富士」、賢くて強い鳥である「鷹」、事を成すの「なす」から
- etc
さて理屈は分かったと思いますが、縁起がいいからといって「富士・鷹・茄子」を夢に都合よく登場させるのは難しいことも。かくいう筆者も30回以上は初夢を経ているはずなのに、一度も富士・鷹・茄子が初夢に出てきたことはありません。
では、他にはどんな夢を見たら吉夢なのでしょうか? 夢診断アドバイザーをしている筆者が、この問いに回答するとしたら「明るい夢」とだけお伝えしたいと思います。夢に登場するアイテムやイベントが何であれ、目が覚めた時に喜びや清々しい気持ちになっている――これこそが吉夢だとは思いませんか?
[執筆:嘉納 夢子(夢診断アドバイザー)]
【参考】
※ wikipedia「初夢」