昨年12月30日に政府の社会保障充実策が明らかになりました。社会保障ということで、子育て支援についても発表されました。気になる内容ですが、保育所整備など加速するために約5,000億円を投じることになったようです。
■ 保育所整備が加速するの?
子育て支援の強化が急務と判断され、今年4月から始まる「子ども・子育て支援新制度」には予定通りの約5,000億円が投じられます。
子ども・子育て支援新制度では、保育園の新設や認定こども園への補助、保育士の増員や処遇改善などを急ごうとしています。
保育所整備が加速すると思われる理由は、政権が目指している女性活用のため。働く女性が増えて活躍するためには、子どもを育てる環境の整備が必要不可欠であるため、ここは重要なポイントとなり、加速が必要となります。待機児童の解消を目指すのです。
■ 本当に待機児童の解消はできるの?
待機児童解消のために必要なことを一つでも多く実施しようとするのが、子ども子育て支援新制度です。2年後の平成29年度には待機児童をなくすことを目指しているのですが、見通しでは、0~2歳児で保育の受け皿が約5万人分不足します。そのため、子育て支援の強化が急務と判断され、消費税の増税が望めなくなっても当初の予定通りの金額を充ててきました。
予定通りの金額を充ててでも待機児童解消をすべきという判断のもと、推進されていることがわかります。待機児童解消が、政権のポイントであるのは明らかです。
待機児童をなくすために、まずは預け先を増やそうとしていることは事実。実際に今まで保育園を増やしていなかった自治体においても、保育園を増やそうとしていたり、預け先のひとつである小規模保育を増やそうとしたり、認定こども園を増やそうとしています。
施設という入れ物を増やすと当然、働く人の確保も必要です。保育士の資格を持っていても現在は勤務していない人の復帰や、「子育て支援員」という保育士資格がなくても研修を受ければ保育施設で働ける人材を増やそうとしています。
待機児童解消に向けて、施策が動いています。しかし、子ども達にとってのいい環境という点が置き去りにならないように進んでいってほしいと思います。
[執筆:三木育美(保育情報アドバイザー)]
【参考】
※『産経ニュース』「子育て支援に5000億円 保育所整備を加速 社会保障充実策の全容判明」2014年12月31日
※『SankeiBiz』「保育所整備など約5000億円 社会保障充実策見直し」2014年12月31日
※ 児童福祉法では「保育所」の表記が本来の名称ですが、一般的ではないため、本記事では「保育園」と記載しています。