課題や問題解決のために何かを決めたり、新しい提案をする場である会議は、同じ職場内と言えども、立場や経験の違いから、意見の食い違いがあるのは仕方ないことです。ですが、40代ともなれば、自ら積極的に発言したり、会議をまとめる力量が求められますね。そんな時、ぜひ試してほしいのが、自他尊重のコミュニケーションである「アサーション」と呼ばれる伝え方です。
■ 自分も相手も尊重しながら折り合う
コミュニケーションにおいて、自分よりも他者を優先し我慢することが多いタイプは、「相手だけを尊重する非主張型」、自分のことだけを考えて相手を支配しようとするのは「自分だけを尊重する攻撃型」。そして「アサーション」とは、自分のことも尊重しながら、相手も配慮するという第三のタイプのことを言います。
そしてこの「アサーション」ができる人は、自分と相手の意見や考えが違った場合、その違いを尊重しながら相手と折り合える「落としどころ」を探す工夫をし、互いが歩み寄れる結論を導くことができる人なのです。
■ アサーションは日々の練習の積み重ね
この「アサーション」を日本に広めた第一人者である平木典子氏は、著書『改訂版 アサーション・トレーニング さわかやな<自己表現のために>』(※)の中で、“DESC法”を紹介しながらセリフづくりの必要性を伝えています。DESC法とは、
- D…describe(描写する)
- E…express, explain, empathize(表現する、説明する、共感する)
- S…specify(特定の提案をする)
- C…choose(選択する)
というステップなのですが、自分の伝え方のタイプを変えるのはなかなか難しいですね。特に、相手と交渉しなければならない、言いにくいことを伝えなければならない時はなおさらです。
初心者の方へのお勧めは、まず慣れるまでは紙に書きだしセリフのように練習することです。実際に言葉に出してみることは重要です。普段使い慣れていない言葉は、緊張した時などには咄嗟に出てこないことも。ですが、練習しだいで上達すること間違いなしです。ぜひ試してみて下さいね。
[執筆:高橋 雅美(心理カウンセラー)]
【参考】
※ 平木典子(2009)『改訂版 アサーション・トレーニング さわかやな<自己表現のために>』金子書房、pp117-118より
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