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困った上司や部下との関係改善、「アサーション」活用例
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困った上司や部下との関係改善、「アサーション」活用例

筆者が多くご相談を受ける、職場の人間関係関連のお悩み。「自分の仕事が忙しいのに、構わず直前に仕事をふってくる上司に困っている」「何度説明しているのに、部下の理解が悪い」など、皆さんの身の回りでも同様のことが起こるかも…。

そこでぜひ「アサーティブ・コミュニケーション」を活用してください。

 

■ あなたのアサーティブ度は?

アサーティブ・コミュニケーションとは、自分も相手も大切に「I’m OK, You’re OK」にするための自己表現。自己表現は、相手への配慮不足の「攻撃的」タイプ、相手に気を遣いすぎるがゆえに自分を押し殺す「非主張的」タイプ、そして先述のアサーティブの3タイプに分けられます。皆さんはいかがでしょうか。ぜひ、現時点の自己表現について確認することをおすすめします。筆者ブログでも簡易チェックリスト(※)をご紹介しています。

 

■ 自分の要望を伝えるための基本ステップ、DESC法

自己表現について確認したところで、具体的な例で考えていきましょう。

事例:午後4時。Sさんは明日までに送付することになっているA社への提案書を作成しています。今日中になんとかできるかな…と思っていた矢先、上司のTさんがやってきました。「この報告書、明日までにまとめてもらえないかな?」

SさんはA社提案書で手一杯で、とても報告書をまとめる余裕はありません。さあ、上司のTさんにどう伝えたらよいでしょうか?

 

ここで役立つ方法に「DESC法」があります。これは、Describe(現状の客観的描写)、Express(表現)、Specify(解決案の提案)、Choose(選択)の頭文字をとったものです。

  1. 申し訳ございません、明日までにA社への提案書をまとめなければなりません。(D)
  2. 今この仕事を引き受けると提案書が間に合わなくなりそうで、困ってしまいます。(E)
  3. 報告書は明日のいつまでに必要になりますでしょうか。明日朝1時間早く出社しますので、明日の午前中の対応でも大丈夫でしょうか。(S)

なお最後のC(選択)は、提案(S)後の相手の反応によって次の行動の選択肢を提示します。もし相手がノーといったとき、次どう行動するかを決めておけば安心感が出るでしょう。

DESC法で注意すべき点は、相手を思い通りに動かそうとしないこと。お互いが納得できる妥協点を見つけることを意識しながら実践し、ストレスを抱えすぎない良い人間関係を構築しましょう。

[執筆:浅賀 桃子(メンタル心理・キャリアカウンセラー)]

 

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