ジェネリック医薬品という言葉は聞いたことがあっても、どういうものなのか、何がいいのか、使う時になってみないとなかなか調べないものです。必要になったとき慌てないように、なぜジェネリック医薬品がおトクなのか、3つお話をしましょう。
■1. 値段が安い
新しい薬が開発されると、開発したメーカーが独占的に販売できる特許権が付与されます。しかし、特許は永久ではなく、何年か経つとなくなります。特許権がなくなると、有効成分、製法は共有の財産となり、他のメーカーも使用してよいことになります。こうして作られたのがジェネリック医薬品です。そのため、安い開発費で製造することが可能なため、薬の値段も安くなるのです。
例えば、高血圧・糖尿病のような慢性的な病気で1年間ずっと薬を飲み続ける場合、ジェネリックであれば1万円程度節約することができます。
自分が処方箋をもらった時、新薬とジェネリックでどれくらい差額があるのか調べられるサイトがあります。日本ジェネリック製薬協会の「かんたん差額計算」(※1)で確かめてみてください。
■2. 飲みやすい
製造の際、有効成分などは変えてはいけませんが、形、味などは変えてもいいことになっています。そのため、錠剤をもっと小さくするとか、抵抗のない味にしているとか、より飲みやすい工夫がされています。
■3. 医療費を節約
そして、医療費はほとんどの方が3割負担ですが、残りは健康保険、国の税金で賄っています。国全体で1年間の薬剤費は約8兆円ですが、今後高齢化が進むにつれて増えていくことが予想されます。
健康保険、国の税金の負担が大きくなれば、現在の制度を維持できず、もしかしたら4割負担になるかもしれないし、税金が増えるかもしれないに繋がってきます。
薬代が安いということは、健康保険、税金の負担も少なくてすむということです。現在の制度を維持することにも貢献しているのです。
このように、ちょっと知るだけで賢い節約になります。ぜひ、処方箋をもらった際には取り入れてみてください。ジェネリック医薬品についてのお話は、政府広報(※2)でより詳しく知ることができますよ。
[ 執筆:阿部 理恵(ファイナンシャルプランナー&カウンセラー)]
【参考】
※1. 日本ジェネリック製薬協会
※2. 政府広報オンライン「安心してご利用ください ジェネリック医薬品」