2011年にサービス開始後、国内ユーザー数5000万人超と、FacebookやTwitterを超えるソーシャルメディアとなったLINE。若い層が中心とも言われていますが、40代の約25%、50代でも20%以上がほぼ毎日/時々閲覧や投稿・発信を行っているとのデータも(※1)。
さて、このLINEで話題になった「既読スルー」。自分が送ったメッセージを相手が読んだときに「既読」マークがつくことで確実に読んだと分かると安心する声の一方、マークがついたのにすぐに返事が来ないと「既読スルー(無視されて返事がない)」だと問題視する声も根強くあります。筆者のカウンセリングでも、女性の方を中心に「LINEで既読スルーされることが続いていて心配」「なんで既読スルーされるのか」と不安に思う方からの相談をいただく機会が増えています。今回は、既読スルーで悩む方への簡単な対処法を考えます。
■ 「既読スルー」で悩むワケ
同じ「既読スルー」をされても、
- たまたまその時忙しかった(落ち着いたら返信しようとしていた)
- どのように返信したらよいか迷っている
- 返信の必要性を感じていない(完結したと認識していた)
という可能性もありますよね。それにもかかわらず、イライラ・不安に思う心情の裏には、「自分は嫌われてしまったのでは」「言い方がまずかったのかも」などと思い込んでいるのです。
心理学ではこれらの感情を「投影同一化」と呼びます。簡単に言うと、自分が考えた理由を「他人もそう考えているはず」と決めつけた結果、自分で自分を傷つけていることをいいます。投影同一化に陥りがちな人の特徴としては、相手に必要以上に依存してしまっていることが挙げられます。依存しすぎて、自分の芯となるべき考えが分からなくなり、自分と他人とを分けて考えづらくなっているのです。
■「既読スルー」への簡単な対処法
まず意識してほしいことは、返信がないことに対し「なぜ不安になるのか」と、客観的にその原因を考える習慣をつけること。書き方がまずかったと思うのであれば、次回は改善したメッセージを送ってみて、相手の反応をみるのもよいでしょう。そしてもし思い当るふしがないのであれば、「うっかり忘れているのかな」「忙しいのかな」と自分に言い聞かせ、深く考えないこと。気にしすぎてストレスに感じることがないよう、コミュニケーションツールとして上手に使っていきたいものですね。
[執筆:浅賀 桃子(メンタル心理・キャリアカウンセラー)]
【参考】
※1. 株式会社I&S BBDO「第14回全国消費者価値観調査」 2014年8月20日
※写真:Sutichak Yachiangkham / 123RF.COM、本文とは関係ありません