2015年7月、東京・荒川で、トイレ付近に夫婦が倒れて死亡しているのが発見されたというニュースがありました(※1)。記事によると妻がトイレに入った後、酒を飲んで帰宅した夫がトイレ前で倒れてそのまま死亡。トイレのドアを押しても夫の体重(100キロほど)のため妻が出られなくなり、そのまま脱水・熱中症等で死亡した可能性が高いとのことです。この夫婦は2人暮らしで、普段からエアコンは使っていなかったようです。
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死に至る危険性もある熱中症
最高気温30度以上の真夏日が続き、日によっては35度以上の猛暑日になる日もあるここ数日。熱中症で搬送される方も増えています。
熱中症の代表的な症状として、以下のようなことが挙げられます。放っておくと死に至ることもあります。
- めまい、立ちくらみ、顔のほてり、腹痛
- こむら返りなど、筋肉がけいれんする
- 吐き気、嘔吐、頭痛、体のだるさ
- ふいてもふいても汗が出続ける
- 暑いはずなのにまったく汗をかかない
- 皮膚が熱く、赤く乾いている
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熱中症対策に欠かせないエアコン
特に高齢者世帯や一人暮らしの方は、熱中症にかかっていても発見が遅れるケースが多いです。また、特に女性の方のなかには、電気代を気にしたり冷房自体が苦手という理由でエアコンを使わない・使いたくないという方もいらっしゃるでしょう。
ただ、こんな統計もあります。アサヒグループホールディングスが全国867人の男女を対象に「過去に熱中症になったことがあるか」調査したところ、男性11.5%、女性15.1%と、やや女性が多い結果になりました(※2)。料理で火を使う機会が多かったり、掃除で汗をかいたりと、家に熱がこもっていると家事中の発症も十分あり得ますので注意が必要です。
冷房が苦手な方は、座る位置やエアコンのスイング調整などで、身体に直接風が当たらず、体温が下がらないように工夫してみましょう。エアコンの電気代も省エネ型の最新タイプはだいぶ抑えられてきていますし、1日つけっぱなしでも電気代は約300円程度(6畳用エアコンの場合。電力会社と使用しているエアコンによって多少変動はあります)。カーテンなどで室内に入る日光を遮ったりするだけでも、設定温度が高くてもエアコンの効果は上がるもの。1日300円で熱中症になる確率を下げられるなら安いものでは? ぜひこの夏はエアコンをうまく活用し、熱中症ゼロで乗り切りましょう。
[執筆: 浅賀 桃子(メンタル心理・キャリアカウンセラー)]
【参考】
※1. 『毎日新聞』「<変死>トイレ前と中で夫婦死亡 東京・荒川のマンション」2015年7月30日
※2. アサヒグループホールディングス「熱中症対策をしていますか?」