気象庁の統計によると、2015年の夏は一日の最低気温が25度以上の夜(いわゆる「熱帯夜」)が13日間(※)と、非常に寝苦しくつらいですね。今回は、この寝苦しい熱帯夜を乗り越えるために役立つ方法をご紹介します。
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熱帯夜に「寝付けない」メカニズム
このメカニズムには、体温変化が密接に影響しています。体温といっても、普段我々が体温計で測るような「体の表面」の温度ではなく、身体の中心部分の「深部体温」のことです。熟睡できないという場合、この深部体温が下がらないために眠気が生じないという状態になってしまっているのです。
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上手な入浴で、睡眠コントロール
深部体温を下げやすくするためにぜひおすすめしたい入浴法は「就寝したい時間の2時間前に入力する」こと。
熟睡のためには深部体温が下がることが重要ですが、さらに付け加えると「体温の変化が大きいほど眠気を感じやすい」ことが挙げられます。人間の身体は深部体温が上昇すると、その反動で下げようとする機能があります。つまり、お風呂に入り深部体温をぐんと上げ、そこから寝るまでの2時間でゆっくり下げていくことで、就寝したい頃に眠気が来るというわけです。
ちなみに深部体温を効率的に上下するためには、入浴時間はあまり長すぎても短すぎてもよくありません。ベストは15分~20分。暑いからシャワーだけでササッと済ませたいところですが、深部体温の落差が生み出されづらいことから、熟睡のためには湯船にしっかりつかることが大切なのです。
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寝室のエアコンは、高めの温度で一晩つけっぱなしに
寝付けるようにとクーラーのタイマーをセットしておく方もいらっしゃるでしょう。ただ、タイマーが切れた途端目が覚めてしまうとつらいもの。人間の身体は5度以上の温度変化が繰り返し起こると、自律神経のバランスが崩れてしまうことがあります。タイマーセットよりも、一晩中つけっぱなしにしたほうがベストです。
エアコンをつけっぱなしで翌朝だるくなるのが怖い、という方は、身体が冷えすぎて自律神経の不調を引き起こさないように、28度~29度の高め温度に設定してみましょう。さらに、サーキュレーターや扇風機との併用もおすすめ。冷たい空気を循環させ、無駄なく節電対策にもなりますよ。
[執筆: 浅賀 桃子(メンタル心理・キャリアカウンセラー)]
【参考】
※ 「2015年 猛暑日、真夏日等の日数の一覧」2015年8月1日時点で13日との発表