大分県で住宅全焼4人の死亡者を出した火災を起こして逮捕された海上自衛隊員の事件が報道されましたが、容疑者が放火に至った理由として「職場で悩みを抱えていた」という趣旨の供述をしていることが明らかになっています(※)。
職場で悩みを抱え、ストレスをうまく解消できていない方がカウンセラーの筆者のもとにも多くご相談にみえています。晶子さん(仮名)もその一人です。
晶子さんの仕事は、食品メーカーのクレーム電話相談係。勤務時間中はずっと消費者からの対応に追われています。
「ちょっとぉ! アンタんとこのパンに、髪の毛入ってたよ!どうしてくれんのよ!」
きつい口調での電話。自分が悪いわけでもないのに謝り続けなければなりません。
「弁償するの? しないの? まさか何もしないですまそうってんじゃないだろうね!」
相手の言っていることが本当かどうかわかりませんし、過大な要求をしてくる人もいます。
「こういう仕事だと割り切ってはいるんですが…電話が長い方や、何回もかけてこられる方にはまいってしまいますね」
晶子さんは本当に疲れがたまっているようで、無表情に近い状態でした。
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職場のストレス軽減のために
通勤時間を含めれば一日の大部分を職場で過ごしているという方も少なくない中、職場のストレスを減らすために意識すべき2つのポイントをご紹介します。
1. 短時間のリフレッシュタイムをこまめにとる
たまる一方だったストレスをいったん減らし、気持ちを新たに職場に戻ることができます。忙しいからとリフレッシュタイムを取らずに働き続けるよりも、ずっと仕事の質が上がり、全体としての仕事量も増やすことができます。前述の晶子さんも、コーヒーブレイクの時間を半ば強制的にとるようにしたところ、だいぶ楽になったと言います。
2. できるだけ職場の人に見られていない状態でリフレッシュする
残念ながら長時間働き続けることがよいと思い込み、他人がリフレッシュするところを見ると「怠けている!」としか考えない方は少なくありません。昼休みやトイレタイム以外にも、わずかな時間を利用し目立たず気分転換できることがあれば試してみましょう。デスクに大好きなペットの写真を置くだけで楽になるケースもあります。
「うちの職場、色々厳しくて…どんな方法でリフレッシュしたらいいか分からない」。こんな方は、ぜひカウンセリングを受けてみてください。あなたと職場に適したリフレッシュ方法を一緒に考えましょう。
[執筆: 浅賀 桃子(メンタル心理・キャリアカウンセラー)]
【参考】
※産経WEST「「職場で悩み」大分放火で自衛官供述 ストレス持ち帰った?県警が職場の人間関係など調べ」2015年7月9日