2015年6月24日の『産経ニュース』にて、「女性の職場の処世術」に関する調査結果プレスリリース(※)が紹介されています。保育士・幼稚園教諭73名に行ったもので、回答者の全員が女性の多い職場でのストレスを感じたことがあると回答。長く働くうえで、ストレスへの工夫が必要であると記事ではまとめられています。
調査対象者の職種と人数がかなり限定されているとはいえ、女性の多い職場では多かれ少なかれストレスを感じることがあるものでしょう。そのストレスの多くが、「人間関係・対人コミュニケーション」の問題に起因している現状にどう対処するのがよいのでしょうか。
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対人スキルを磨くために
話し方や姿勢、表情、人との接し方など、対人関係を円滑に保ち、向上させる技術や行動様式を対人スキルと呼びます。この対人スキルを磨く一歩として、「傾聴と全面的受容」が大切になります。相手の一面のみを評価するのではなく、全面的にその人を受容すること。受容とは、「相手と自分は違う人間であることを理解した上で、その存在を認める」ことです。
この全面的受容のためには、相手中心の対話を目指す必要があります。そのために必要なポイントをご紹介します。
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相手に対して肯定的関心を示す
「あなたの話に関心を持っています」というメッセージをしっかり相手に伝えることが大切です。相手のことをまっすぐみて、うなずいたりあいづちをうったりと、相手の話を聴く態度を表明することで、相手が自分に対し「話したくなる」聴き方を心がけましょう。質問をさしはさみすぎたり、「助言」や「励まし」も自分の欲求の押し付けにつながりますので、相手が話す気をなくしてしまう可能性がありますので注意しましょう。
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相手の気持ちを共感的に理解し、伝える
相手の話の中から「相手の気持ちが表れている部分」を見つけ、繰り返して確かめてみましょう。たとえば、「○○さんにいつも嫌われている、と感じているのね」「○○が苦手だと思っているんですね」といった具合に、このように「聴きましたよ」という反復確認を入れることにより、相手は「自分のことをわかってもらえた」と感じることができるのです。このような姿勢を積極的に伝えることが大切です。
相手の言葉の中にある感情をしっかりくみ取れるかどうかが、円滑な対人コミュニケーションの上で欠かせません。ぜひ意識してみましょう。
[執筆: 浅賀 桃子(メンタル心理・キャリアカウンセラー)]
【参考】
※1. 産経ニュース「女社会のストレス経験率100%! 保育士の“女性の職場の処世術”【独自調査結果発表】」2015年6月24日
※写真: Petro Feketa / 123RF.COM、本文とは関係ありません