新しい働き方として「テレワーク」への関心が高まっています。この「テレワーク」、一体どのような働き方なのでしょうか? 本コラムでは、働くママ目線で「テレワーク」について解説します。
■ テレワークの定義と分類
テレワークのtele には“離れて”、workには“働く”という意味があります。そこから、定められた勤務場所(オフィスなど)から離れた場所(自宅や出先など)で働く、という意味で使われるようになりました。
一般社団法人日本テレワーク協会は、テレワークを「情報通信技術(ICT)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方」と定義しています(※1)。
企業で働くママに該当するテレワークの主な形態としては、「在宅勤務」が挙げられます。
自営業のママも、インターネットやPCなどのテクノロジーを活用して、客先に出向かずに仕事をする人は「自営型テレワーカー」に分類されます。つまり、すでにテレワークを実践中ということになります。
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“使いやすい”「在宅勤務制度」の有無が、仕事と子育て両立の分かれ目
「在宅勤務」を利用したい働くママが多い反面、「在宅勤務制度」を導入する企業は1.7%と非常に少なく(※2)、かつ大企業に集中する傾向があります(※3)。また、在宅勤務制度を導入する企業の多くが週に1~2回といった制限付きで在宅勤務を認めており、企業によっては、「在宅勤務」ではなく「リモートワーク」、「eワーク」と呼称されることもあります。
働くママにとっては、週に1回でも「在宅勤務」できれば、往復の通勤時間分を仕事や家事、子育てに充てることができ、仕事と育児の両立がぐっと楽になるのです。
筆者は2012年よりテレワークと女性の働き方の研究を行っていますが、子育て中の女性が管理職としてイキイキと働いている企業では、たいてい「在宅勤務制度」が機能していました。逆に、制度はあっても、使いにくい雰囲気があるだとか、利用条件が厳しすぎて使いづらいと、働くママの会社への不満が大きくなるようでした。
子どもを育てながら働いていきたい、という思いのある方は、就職、転職したい企業に“使いやすい”「在宅勤務制度」があるかどうか、ぜひチェックして下さいね。
[執筆:椎葉 怜子(働き方コンサルタント/キャリアカウンセラー)]
【参考】
※1 .一般社団法人日本テレワーク協会ホームページ
※2. 独立行政法人 労働政策研究・研修機構「情報通信機器を利用した多様な働き方の実態に関する調査結果(企業調査結果・従業員調査結果)」2015年6月4日
※3. 総務省「平成25年通信利用動向調査」2015年6月27日
※写真:Diego Cervo / 123RF.COM、本文とは関係ありません