社会には専門スキルを活かし派遣社員でしっかり働いている人もいますが、転職回数が多い、などの理由で正社員の仕事に就けず派遣社員として働いている人が多いのも現状です。今回は、どのようにすれば正社員の仕事に就きやすいか応募書類の書き方のコツをご紹介しましょう。
■ 職務経歴書は職種別に記入を
派遣の仕事を続けてきた人にとってまず課題となるのが「書類選考が通らない」ことです。職務経歴書に7社、8社と会社の経歴が並び、転職回数が多くてすぐこの人は辞めてしまうのではないか、と採用担当者に思われかねません。
そこでお勧めなのが、会社ごとの経歴で全社を羅列する方法ではなく、自分が行ってきた職種ごとに会社をまとめ、「一般事務職」「経理事務職」「営業企画職」など、職種で明記する方法です。“キャリア式”といいますが、職務経歴書については履歴書と違って書式が自由なため、応募者自身がフォーカスしたい仕事を中心に記述してよいのです。
古い履歴から順番に全社を記載するのではなく、応募する仕事に最も役立つ仕事の経験から先に、役立つと思う順に書くようにしましょう。「接客販売」「コールセンター」「営業事務」「経理事務」など様々な職種を経験している人は、志望にあまり関係ないと思う職種について記入しないことも可能です。
履歴書には古い順に経歴を明記しますが、職務経歴書は自分が伝えたい仕事の部分、を意識し詳しく具体的にアピールしましょう。
■ なぜ正社員になりたいのか、“相手視点”の志望動機に!
次に大切なのが、採用側の視点に立った具体的な志望動機です。あなたの志望動機は、漠然としたものになっていませんか? また「安定した仕事に就きたいと考えて、正社員に応募いたしました」など自分目線の言葉になっていませんか? 自分が採用担当者になったつもりで読んでみましょう。その志望動機を書いた人を面接に呼んでみたいと思うでしょうか。
採用側が最も知りたいことは「うちの会社で何をしてくれる人なのか」です。正社員になりたい、がゴールではなく、正社員になったらどんな仕事ができるのか、がゴールなのです。志望動機には、この会社で自分のどんなスキルや仕事の経験がどのように役立つと思っているのか、を具体的に伝えるようにしてください。そうすれば、今まで漠然と書いていた応募書類とはぐっと違った内容になっていくはずです。
[執筆:渡部 幸(コーチ/キャリアコンサルタント)]
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