6月に男の子をご出産された「森三中」の大島美幸さん。昨年は「妊活」のため芸能活動を一時休業すると発表し、話題になりました。彼女の休業宣言によって、仕事と不妊治療の両立が大変だということを初めて知った、という人も多かったのではないでしょうか。
■ 「仕事と治療の両立は困難」が9割
不妊で悩む人をサポートする「NPO 法人Fine(ファイン)」の調査(※)では、働きながら不妊治療を経験した人の9割が「仕事と治療の両立は困難である」と感じ、さらに、そのうちの4割が退職をはじめとする勤務形態の変更を経験していると報告しています。
筆者自身、結婚して子どもを授かるまでに12年かかっており、長引く不妊治療と仕事との両立のストレスから心療内科にかかったり、自分が経営する会社を休業することになるなど、不妊という現実に嫌というほど翻弄されてきました。
■ 聴くプロに心のモヤモヤを聴いてもらおう
不妊治療中に心の支えとなったのが、カウンセリングです。話を聴くプロに自分の感情を受け止めてもらうことで、傷が少しずつ癒えていくのを感じました。
精神分析の世界には「カタルシス効果」という言葉があります。自分が抱える怒りや不安を口に出すことで、苦痛が軽減され、安心感が得られる、とされています。ここで重要なのは、話を聴くプロに聴いてもらうことです。相手を間違うと、話を遮られたり、的外れなアドバイスをされるなどして、心の傷が広がってしまうこともあります。
例えば、筆者もキャリアカウンセラーとして活動している大人の女性のための電話相談サイト「ボイスマルシェ」(※2)には、悩みを受け止めてくれるカウンセラーが多数在籍しています。全国どこからでも匿名で相談でき、朝の8時から夜の2時まで予約可能です。
誰かに心の内を話すことは勇気のいることですが、ひとりで抱え込まず、言葉に出すことで、少しでも心を軽くしていきましょう。
[執筆:椎葉 怜子(働き方コンサルタント/キャリアカウンセラー)]
【参考】
※1. NPO法人Fine「仕事と治療の両立についてのアンケート調査結果報告」2015年8月
※2. 女性専用 大人のための電話相談サイト「ボイスマルシェ」
※ 写真:Alliance / PIXTA、本文とは関係ありません