2016年から秋田県で第二子の保育料が無料になるとニュースがありました。子ども子育て支援新制度では、要件を満たしている場合に第三子の保育料が無料になり、それを受けて国の制度とは違った条件で第三子の保育料を無料にする自治体が出てきました。なかでも、第二子の保育料を無料にするとしたのは秋田県が初めてです。
■ どうして保育料を無料にするの?
秋田県では人口減少に悩んでいるようです。そのため、人口減少を防ぐために子育て環境を充実させることで出生率の向上につなげる狙いがあるようです。人口減少対策として、10月のまとめる秋田県版「総合戦略」に盛り込り、2016年から行っていくようです。
子育て支援課では「人口減少に歯止めをかけるカギは第三子の誕生にある。かなり踏み込んだ助成制度で、子どもの多い家庭を積極的に応援したい」としているとのこと。
たしかに首都圏では人口が増え、保育園に入れない待機児童の問題が大きく取り上げられていますが、地方では待機児童問題がなく、保育園に入るのはとくに問題もない地域も多くあり、どちらかというと人口減少に悩んでいるケースがあるようです。
■ 保育料を無料にすれば子どもが増えるでしょうか?
現行制度では、第一子と二子とが同時に保育園に通う場合は、第二子が半額の料金、第三子は無料となっているため、それに比べると、第二子無料はとても魅力的です。しかし、保育料が無料になるだけで子どもをもう一人計画しようと単純に思えるでしょうか?
保育料金が無料になったからといって、子どもの数が増えるのかというと筆者は少々疑問に思います。なぜならば今回の取組は、「第三子が生まれた場合」と限定されているため。子どもが一人増えると家計はそれだけ大変になりますので、保育料が無料になる事はありがたいことですが、長い目でみて、子どもが一人増えることはそれだけ家計も大変になるため、そう単純ではないのでは? と感じられます。
とはいえ、第二子の保育料が無料という試みは、子どもをもう一人欲しいと思っている場合には、背中を押してもらえる制度であると思えます。子育て支援の取組の変化は今後もいろいろとあると思います。自治体ごと違う場合も多いため、近隣がどうなっているのかを調べてみるのもいいかもしれませんね。
[執筆:三木 育美(保育情報アドバイザー)]
【参考】
※ 『デイリースポーツ』「秋田県、第2子保育料を無料化へ」2015年9月4日
※ 『北海道新聞』「秋田県、第2子保育料を無料化へ 都道府県初、第3子誕生で」2015年9月4日
※ 児童福祉法では「保育所」の表記が本来の名称ですが、一般的ではないため、本記事では「保育園」と記載しています。