夫婦問題に特化したカウンセリングの現場で、女性の相談者からよく聞かれるのが、「なぜかピンときたんです!」という言葉。妻が夫の浮気を見抜くのは、たいてい「女の勘」です。
察知能力の高い女性は、夫の普段と異なる行動やぎこちない言動を瞬時に見抜きます。「ん? なんだか怪しい~」と感じ、その勘ぐり率もほぼ的中。夫はうまくごまかしたつもりでも、どこか挙動不審な態度をとっているのかもしれませんね。
「直感」や「第六感」も、女性特有のものと言えそうですが、男性はどうやら、この感覚はあまり持ち合わせていないようです。
■ 五感を超えるインスピレーション
そもそも「第六感」とは何でしょう? 辞書で調べてみると、「視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の五感以外の五感を超えるものという意味で、 理屈では説明のつかない、鋭く本質をつかむ心の働き。インスピレーション。勘。直感。霊感」とあります。つまり女性は特殊な能力(予知能力)を備えている、ということですね。
それだけ女性は、普段の観察力が鋭いといえるのかもしれません。一方、男性は、目の前にいる相手の表情や髪型など細かい事柄を観察するのは、どちらかというと苦手。その代わり、全体像を俯瞰で把握するのが得意のようです。
■ 相談のタイミングが遅れがちな男性
カウンセリングの現場でも、ご相談のタイミングが男性と女性では異なる傾向に。早めに相談に来る女性に対し、男性は遅れがちです。妻の変化に気づくのが遅く、さらに「プライバシーに関わる夫婦の問題を、他人に話すのは恥ずかしい」「まだ自分たちで解決できる」という思いもあるでしょうか。いよいよ手立てがなくなり、藁をもすがる思いで訪ねてくるのが男性です。
正直なところ、「もう少し早く相談に来ていただければ」「修復の可能性もあったのに……」、「奥様の心はすでに離れている」と、残念に感じるケースが少なくありません。
夫婦問題の悩みは、「早期発見・早期治療」がポイントです。夫婦間でささいな違和感があったら、それはサイン。女性の武器である「第六感」を活かして、早めにアクションを起こしましょう。といっても、夫に詰め寄って責め立てるのではありませんよ。実例を多く知る専門家に相談し、まずは自分の気持ちを整理・確認する作業から始めてみてくださいね。
[執筆:渡辺 里佳(夫婦関係・離婚カウンセラー)]
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