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パワハラは組織の問題! 一人で抱えず、記録と相談を
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パワハラは組織の問題! 一人で抱えず、記録と相談を

筆者は職場でのパワーハラスメントやセクシャルハラスメントを受けた方からのご相談を受けることがあります。特に最近ではパワーハラスメントの相談が多いように感じております。パワーハラスメントとは、財団法人21世紀職業財団刊行の「職場におけるパワーハラスメント防止のために」(※1)によると、以下のように定義されています。

「職場において、職務上の地位や影響力に基づき、相手の人格や尊厳を侵害する言動を行うことにより、その人や周囲の人に身体的・精神的な苦痛を与え、その就業環境を悪化させること」

 

■ 執拗なパワーハラスメントの心理的負荷は「強」

今年6月に公表された厚生労働省の「平成26年度 過労死等の労災補償状況」(※2)によると、うつ病などの心の病になり労災を申請した人は1,456人と過去最多でした。さらに、労災支給が決定したうち、その理由を見てみると、「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」が69人と、「悲惨な事故や災害の体験・目撃」に次いで多くなっています。

労災認定基準(※3)の中では、上司の言動、または同僚などによる多人数からの人格や人間性を否定するような言動が執拗に行われた場合は、「心理的負荷の「強」」として位置付けられています。

 

■ 記録をとり、まずは相談することから

パワーハラスメントのご相談では、これまで誰にも打ち明けられなかったことを打ち明けることで、気持ちが落ち着かれる方もいらっしゃいます。話すことで、悩みや苦しみから少し距離を置けるようになるのですね。

パワーハラスメントを受けたと思われたときには、まず相手の言動など記録をとることをお勧めします。そして、社内の窓口やカウンセラーなどの専門家に相談すること。相談する中で、しだいに問題が整理され、あなた自身が行為者に何を望んでいるのかもはっきりしてくることでしょう。

 

パワーハラスメントは個人の問題ではありません。職場のモラルが低下し、労働生産性も低下します。加害者や組織には法的責任を問われます。まさに組織全体も問題として対処すべきことなのです。被害にあった場合は、相談することを躊躇せず自分の心を守ってください。

[執筆:高橋 雅美(心理カウンセラー)]

 

【参考】
※1. 財団法人21世紀職業財団
※2. 厚生労働省 『平成26年度「過労死等の労災補償状況」を公表 』平成27年6月25日
※3. 厚生労働省『精神障害の労災認定』平成13年2月

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