筆者の離婚・夫婦問題相談室には、相手のモラハラやモラハラ気味の言動に悩んで「離婚した方がいいのか…」とご相談に来られる方がしばしばいらっしゃいます。今回は、そういったご相談者様が共通して口にされる言葉から、結婚する前に相手のモラハラ傾向に気づくことができないかを考えてみます。
■ モラハラに悩む方が共通して口にすることは…
まずは、相手のモラハラ的な言動に悩んで筆者の相談室にいらっしゃる方々が共通して口にされる言葉をご紹介しましょう。
それは、「結婚する前に気づければよかったんですけど、結婚前には気づけなかったんですよね。でも今にしてみれば結婚前に『あれ?』って思うことはありました」というものです。
ご相談者様によって言葉遣いは多少異なりますが、ポイントは後半の「結婚前に『あれ?』と思うことはあった」というところです。
「あれ?」に限らず「えっ?」や「ん?」でも同じですが、怒りといった激しい感情ではなく、一瞬は引っかかっても、スルーさせようと思えばできてしまうような感覚。その感覚を一言で言うとすれば「違和感」という言葉になるのではないかと思います。
■ 直感は相手のモラハラ体質に気づいている!?
「違和感」という言葉をwebで調べてみますと、「しっくりしない感じ」や「居心地が悪いさま」といった言葉が引き当たります。
よく理由が分からなかったり、思いがけなかったりする言動を相手がしたときに、「よく分からないけど何か違う…」と心が一瞬ザワザワとするこの感覚。
筆者は、これはその方達の直感が自らに発した警戒警報だったのではないかと思っています。でも、みなさん「結婚前には気づけなかった」と口をそろえておっしゃるように、せっかく直感がそれを教えてくれていても、交際しているときは相手のことがとても好きだったり、結婚をしたい思いがあったりと、意識がそれをスルーさせてしまうようです。
モラハラ体質の人との結婚はできれば避けたいもの。そのためには、怒りや悲しみといった大きく揺れる感情よりもむしろ、「あれ?」「ん?」という小さな引っかかりとも思える「違和感」こそを大事にする必要がありそうです。
ここで突っ込むと気まずいことになりそう、面倒くさいことになりそうという場合でも、あえて突っ込んで相手の反応を見る勇気が、未来のあなたを救うことになるのかもしれません。
[執筆:糸瀬 彩湖(行政書士/夫婦カウンセラー)]
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