日本の婚姻の歴史をさかのぼってみると、お見合い結婚が多数を占めていた以前に比べ、現在は恋愛結婚が大多数となっています。筆者が感じるのは、最近の晩婚化や離婚率の高さは、こうした時代背景も大きく影響しているのではないかということです。
■ 以前は「お見合い結婚」が主流
昨今はあまり聞かれなくなりましたが、少し前まで、「仲人(なこうど)」という役割が存在しました。
結婚を視野に入れた若い男女を引きあわせ、お見合いの場をセッティングするなど、いわば世話焼き係りのような人です。昔はこのような仲介役がいたからこそ、結婚が成立しやすかったと思えるのです。
大切な自分の将来が決まってしまうのですから、誰にとっても、「結婚」はリスキーなもの。不安があって当然です。
そんなとき、人生経験の豊富な大先輩から、結婚生活における知恵や工夫を教えてもらうだけでも安心できたのではないでしょうか。
結婚生活がスタートした後も、ちょっとした迷いや不安が生じたときに、早めに仲人さんに相談することで、悩みが解消することもあったことでしょう。
■ 「仲人」の役割を担う「夫婦問題カウンセラー」
たとえば、以下のようなメリットがあります。
- 工夫や知恵を授かることができる
- 不安な思いを受け止めてくれる
- 心配事が早めに解消できる
- たまった不満や心の澱が吐き出せる
筆者は、今のような時代だからこそ、このような仲介役が必要不可欠だと思います。
そして、仲人さんが少なくなったいま、「婚活カウンセラー」や「夫婦問題カウンセラー」が、その役目を担っているように感じています。
結婚生活がスタートしたら、出産、育児、と多忙な日々が休むことなく続きます。何もかもが初めての経験なのですから、わからないことや困った問題が起こるのは当然のこと。そんなとき、どうしたらいいか気軽に質問したり、アドバイスが受けられたら、ほっとするのでは?
悩みを相談するのに遠慮は不要です。困った時にSOSを発信すれば、助けてくれる人は必ずいますよ。ただし、声をあげない限り、誰にも気づいてもらえません。困ったときは、勇気を出して声をあげ、専門家を頼ってみてくださいね。
[執筆:渡辺 里佳(夫婦関係・離婚カウンセラー)]