■ 女子の大学進学率は増加傾向にある
3月は卒業式ラッシュ。袴姿で大学の卒業式に向かう若い女性を見かけるようになりました。年々女子の大学進学率は増加し、平成26年度は男子55.9%に対し女子は47%、短大進学率も合わせると56.5%になります。ひと昔前は、女子が大学に行く必要はないという親もいました。しかし、今では勉強があまり好きでない兄弟より、成績優秀の姉妹の方を大学に行かせたいと考える親もいるようです。
学歴があり正社員として働いている姉妹の方が、バイトをしている兄弟より収入が高い事もあります。たとえば実家がリフォームする際など、父親と連帯でローンを組む場合、正社員の方が信用は高くなります。収入が安定している状況は女性自身も家族にとってもよい事なのでしょうが、時にトラブルとなるケースもあります。
■ 娘だけが頼られて結婚もできない?
母娘関係改善カウンセラーの筆者の所には、収入が不安定な兄弟をあてにせず娘に頼ろうとする親の件で相談に来られる女性が増えています。
千葉県に両親、兄と暮らすA子さん(29歳・食品関連企業勤務)のケースです。A子さんは、両親が家の建て替えを検討している事を知りましたが、父親が息子ではなく娘とローンを組もうとしていることに疑問を持ちました。
A子さんの兄は高校中退後、一時期ひきこもりとなりその後は職を転々としています。両親は息子を信用しておらず、A子さんとの二世帯住宅を希望。しかし結婚の予定もなく兄の居場所は? と考えるA子さんは乗り気ではありません。一方、両親は大学進学までさせてあげたA子さんに、経済面での援助を期待しているようなのです。
A子さんとしては親に感謝しつつも、いつか結婚して子供も産みたいと思っています。仕事を辞める可能性もあり、そうなったら親への援助はできるのか。兄もいるのに進学させてもらったという理由だけで、自分が面倒を見なくてはならないのか。そうを考えると、将来のビジョンがもてないというのです。
このような場合には、お金でもめないように直接会って、建て替えについて家族全員で話し合いの場を持つべきでしょう。また冷静に話し合うためにも、親戚など第三者に同席してもらうのもいいかもしれません。自分一人だけで責任を背負い込むのだけは避けるようにしましょう。
[執筆:横山 真香(母娘関係改善カウンセラー)]
※ 『男女共同参画白書 平成27年版』 内閣府男女共同参画局